【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜


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【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜

1: 見習い筆騎士('-'*) ldOOTsV6:06/01/06 15:33 ID:E1USl4sQ
前のスレッドが容量オーバーで書き込めなくなったので
新しいスレッドを建てさせていただきました。
1部~2部イリア編序章は、以下のURLよりご覧いただけます。

1スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1100605267/7-106
2スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1123296562/l50

あらすじ
ロイ達が倒れ、世界が別世界から乗り込んできたハーフ(人と竜の混血種)に支配され早17.8年、ハーフ以外の種族は絶望の中にあった。
そんな中、ロイの子供セレナとシーナが立ち上がる。
彼女らは生まれ育った西方の仲間や傭兵ナーティ、伯母の子に当るアリスやセレスらと共に、神将器を集めながら進軍することになった。
そして、西方、エトルリアを開放し、一行はイリアで作戦を展開する・・・。


161: 手強い名無しさん:06/04/08 22:06 ID:9sML7BIs
「余計な事じゃないよ! 長老さん、間違えちゃダメだよ。
ハルトムートのした事は正しいよ。 間違っているのは、正しい事をしたのにそれを批判したヤツらだよ!」
「だが、正しい事が必ずしも歓迎されるとは限らん。 実際、そのせいで現状がある。 違うか?」
「違う! 正しい事をしたのに、それが正しく評価されない世界の仕組みがおかしいんだ。
一部の者の利の為に、大勢の者が泣き、正しい事をしようとするものが潰される。 これの何処が正しいんだ!
あたしは、こんな世界は絶対に間違っていると思う。 幸せを皆で共有できて、正しいことが正しい事と認識される世界。
自分が自分として堂々と生きれる世界。 あたしはこれを目指してるんだ。」
セレナの理想を、長老はまた大きな声をあげて笑った。
「お前さんの理想は、もはやそれを超えて狂気だな。 お前さんの言っていることは正しいよ?
しかし、現実を見なさい。 たった一人で正しいと主張しても、白い目で見られるのがオチだ。
現に私達とて、手を拱いて、迫害を甘んじて受けていたわけではない。 自分達の正当性を主張してきた。
だが、そのたびに、人間は私達への仕打ちを激化してきたんだよ。 奴らとは、共存できるとは思えないね。」
まだ理解してもらえない。 これだけ熱心に話しても、まだ納得してもらえない。 何故。
セレナの横で、自分の言葉を噛み砕いて話してくれる人物が居た。 シーナである。
「長老様。 確かに、人間は私達を迫害している。 けど、それは神の言葉と信じているから。
きっかけを作ったのは、ある一人の男よ。 たった一人の声で、世論が変わってしまったなんて。
世論もそうだし、自分もやらなければ取り残される。 きっとそんな感じで広がっていったのよ。
人間って、孤立するのを極端に嫌うから。」
レオンもシーナに加わる。 彼の彼女の言葉に耳が痛かった。
ベルン兵だから。 上の命令だから。 そんな簡単な理由で、同族を傷つけていた。
孤立を嫌い、自分のために、他の何もしていない他の者を傷つける。 人間は・・・自分勝手だ。
「ふむ、そうだな。 権力とは恐ろしいものだ。 どんなものでも溺れさせてしまう。
そして、愚者が権力を振るえば、理は曲がり、世界は混沌とした地獄に成り果てる。 今の両大陸のように。」
シーナはレオンから視線を戻すと、更に続けた。
「だから、世界を変えるには、まず間違った事を正義とする教皇を何とかする。
世界を敵に回したって、間違っている事は、間違っているって主張しないと、何処までも歪んでいくよ。
諦めたら、そこで終わりだよ。 ハルトムートのせいにするのは・・・逃げてるだけ。」
「私らが逃げていると言うのか・・・?」
「うん。 批判する対象をすり変えて、自分達は悪くないって言ってる。
根本を変えようとしないで、変えてはならない部分を変えようとしている。
悪い事を正しい事に摩り替える為に、正しい事を悪い事と決め付けようとしている。 ・・・それじゃ人間と変わらないよ。」
長老も、同族の心の篭った主張に目を閉じて考えてみる。
逃げている・・・か。 ハルトムートは、エレブとアルヴァスネカ、そして、人も、竜も、ハーフも
皆が平和に生きる事のできる世界を目指し、戦った。
全てを活かそうとする者と、いがみ合い、自分達の利ばかりを追求する者・・・。
確かに逃げていたのかもしれん。 彼を批判すれば、自分達を肯定する事にもなったのだから。
「・・・たまには、狂気に触れてみるのも良いかもしれん。 よかろう、私達は、あなた方に協力しよう。
この街の一番奥に、我らが賢王・・・と言っても、今ではただの圧制者だが、メリアレーゼの館がある。
そこに行ってみるがよい。 私達も、悪しき心と戦う。」
「ありがとう! 皆、行こう!」
やっと分かってもらえた。 自分達の想いを。 セレナは嬉しかった。 久しぶりの理解者だった。
そして同時に一層決心を固めた。 自分達を信じてくれる人たちのためにも、諦められない。
去り行くカイに、長老が声をかけた。
「最高師範。 変わってしまった理を変える事は難しい。
だが、過去を悔い改めたのなら、今からでも遅くは無い。 私達も、逃げずに戦う。 貴方も、どうか世界に光をもたらして下され。」
「分かっている。 世界を正しい方向へと導くこと。
それが聖王ナーガの末裔たる私の使命であり、望む道。 貴方達も諦めず、私を助けてくれ。」



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