【ラスト】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜


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【ラスト】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜

1: 見習い筆騎士('-'*)Fireemblemthany:06/04/09 11:18 ID:pZWC9svY
今日で執筆し始めて丁度一周年を迎えます。
長いようで短い期間でしたが、このスレッドでようやく最後を迎えられそうです。

1スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1100605267/7-106
2スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1123296562/l50
3スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1136529217/l50

182: Chapter1−5:求めし者:08/03/18 22:04 ID:YQ
 やっと他の新人隊員たちも天馬の扱いに慣れてきたようで、練習の最中に落馬する事も稀になってきた。
それでも相変わらず、基本的な練習が続く毎日。 初陣を踏む事は、まだずっと先になりそうだ。
いい加減シャニーも、退屈な毎日に限界を感じていた。
そろそろ実践的な稽古をしないと、体が鈍ってしまいそうだ。
「ねぇ、レイサさん! そろそろ訓練のレベルを上げようよ。」
今までも何度もそう提案してきた。 だが、帰ってくる台詞は決まっていた。
「そんなにやりたかったら、アルマみたいに一人でやってきな。」
そんな事、出来るわけがなかった。
他の隊員が一生懸命やっている場所と離れて、自分ひとりだけ違う練習をするなんて。
そんな自分だけ浮くようなことが出来るはずが無いし、皆だって決して良くは思わない。
「シャニー、無理に私たちに合わせなくてもいいじゃない。 だって、貴女はもう実戦を経験しているんでしょ?」
気の利く仲間は、自分にそう進言してくれる。
仲間達からしても、無理に自分達に合わせさせるのも悪いし
何より一人だけ突出した者が居るとやり辛いのだ。 
皆シャニーにとっては大切な親友だし、皆もシャニーの事をいい親友だと思っている。
関係は悪くない。 しかし、実力差は、実戦経験者と未経験者では火を見るより明らかだった。
必然的に、未経験者は経験者に群がり、その技を盗もうとする。
相手の稽古の邪魔をしてはいけないと思いつつも、群がってしまう。
シャニーも、頼られているのだからと精一杯教えてしまう。 結果練習できずに一日が終ってしまう。
なぜ、部隊長が教えないのかという不満を出来るだけ見せないように振舞っていた。
互いに妙な気遣いを働かせていたのだ。
しかし、それは隊員たちの成長へ目に見えて現われていた。
精鋭部隊の人間達を眺めているより、目の前で稽古し、教えてくれるほうがやはり分かり易いのだ。
そうなれば、更にシャニーの周りには人が集まった。
「ねぇ、こんなときはどう動いてる?」
「オッケー、任せて任せて!」
シャニーも、人に者を教える楽しさや、人に頼られることの嬉しさを知っていた。
いつの間にか、シャニーは新人部隊のリーダ格になっていた。
互いを知るにつれて、前の妙な気遣いはなくなっていく。
リーダー格というより、集団のガキ大将? のような感じではあるが。
レイサはそれを木の上から笑みをこぼしてみていた。
本当に、思ったとおりに動いてくれる。 水さえやれば簡単に芽を出してくれるのだから、こんな簡単な事はなかった。
だが、こういう草は、ほうっておけば野生化して思わぬ群生へと発展することもある。
そうならないようにきっちり世話しなくてはいけなかった。

 夜番との交代時刻までの任務が終ると、シャニーはいつものように城から少し離れた小高い丘に向かった。
いつもここで、自分だけの練習をしていたのである。
いくら見習い時代に歴戦を戦ったとは言え、今は新人隊員として基礎的な訓練に明け暮れる日々。
実戦から離れることで、少しずつ腕が鈍ってくることが嫌なほど分かる。
それを食い止める為に、彼女は彼女なりに練習していた。
「あれ? あれは・・・?」
だが、今日はいつもと違った。 いつも誰もいないのに、誰かいるのである。



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