【頑張れ】苑子を応援するSSスレ【ゴッチ】


苑子板 > 【頑張れ】苑子を応援するSSスレ【ゴッチ】
全部1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 最新50

【頑張れ】苑子を応援するSSスレ【ゴッチ】

1: 名無しさん@お腹いっぱい。:2003/11/04(火) 08:21 ID:???
とある年の雨混じりのみぞれ雪が降り注ぐ冬のある日。
埼玉県のとある河原にパトカーが止まり
回転灯が目まぐるしく辺りを赤く照らしていた。
「はい、ええ。遺体はかなり損傷してますがおそらく出血の状態等から死後野犬に食い散らかされたと思われます。鑑識が今調べてます」
橋桁の下で警官達に囲まれた汚れた毛布に包まれた腐乱し幾つにも千切れた死体―所持品は毛布の他は壊れたノートパソコン、キティちゃんの絵柄のノートとやはりキティちゃんの鉛筆とシャーペンのみ―
それは変わり果てた苑子だった
数年前、心労で心も体も徐々に蝕まれ続けた苑子の母は遂に亡くなった。
それを機に父も妻を亡くした悲しみと、妻を死に追いやった死神を血縁上「娘」に持つ心労に妻以上の早さで心と体を蝕まれ、死の直前には薄暗い部屋に籠り部屋の角で「…じゃない……俺はうんこを育てる為に大学に行ったんじゃない…俺はうんこにエサを運ぶ為に働いてたんじゃない…俺はうんこを…」等独り言をひたすら呟き続けたのち妻の後を追う様に亡くなった。
その後妹と苑子は父の兄弟の家で世話になる事になったが
二週間もしない内に苑子の超人的な常識外れぶりに温厚だった叔父も血管を切らしてブチ切れ、馬乗りになって苑子を殴りつけたのち投げ飛ばして窓ガラスをぶち抜き苑子を文字通り家から放り出した。
その後働き始め一人暮らしを始めた妹のアパートを度々「一緒に住ませて」と訪ねた事もあったが激昂した妹に「ふざけんな!!いい加減働け!!」と追い返され、数度目に流石にブチ切れた妹に死ぬ直前までボコられた。
そしてコンビニや飲食店、家庭のゴミ箱を食い漁り、凄まじい異臭を放ちながらデパートの食品フロアで試食コーナーを廻り警備員に叩き出され、
橋の下で暮らし始めれば小学生達に石を投げられ小馬鹿にされ寝ていれば若者達に小便をかけられ殴られ蹴られる日々を繰り返した。
この期に及んでなおいつか芸能界からスカウトマンが訪ねてくると疑いなく信じながら。
「ええ、これから遺体を署に運びます。受け入れの方お願いします」
パトカーや鑑識車が去ると遠めに眺めていた近隣の野次馬たちも引き上げ始め、厄介者が消えてくれたと口々に話しつつ家路に戻った。
その後春が近付いた頃河原の広場で野球に興じる小学生達の姿があった。
「あそこに住んでたコジキ最近みねーけどどうしたんだろうなー」
「知らねー、引っ越したんじゃねー?」

2: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/04 09:12 ID:h0P.AqaY


3: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/04 10:11 ID:???
すっすごい...

4: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/05 20:17 ID:???
グロいけど、上手い!

5: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/05 20:39 ID:???
http://news4.2ch.net/test/read.cgi/news/1068017774/


6: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/05 20:41 ID:???
>「…じゃない……俺はうんこを育てる為に大学に行ったんじゃない…
>俺はうんこにエサを運ぶ為に働いてたんじゃない…俺はうんこを…」

ヒドイとは思ったけど爆笑しちゃったよ...苑子ごめん。


7: 鑿& 2hh79uN.:03/11/10 03:47 ID:ok22fHhg
ハゲ藁

8: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/10 20:04 ID:???
 
え?  で?これは何をするスレなの?

9: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/10 23:52 ID:???
苑子に関するSSを書き連ねるスレでしょ

10: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 00:13 ID:???
応援って・・・>>1のSSしてるか?

11: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 00:19 ID:???
ゴッチって呼び方してる時点で気付こうよ

12: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 00:31 ID:???
えすえすってなんですか
さーびすすてーしょんですか

13: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 01:01 ID:???
http://www.2ch2.net/bbs/test/read.cgi?bbs=sonoko&key=067901686&st=12&to=12&nofirst=true
ショートショートの事。
短編小説よりもっと短い、数分もあれば読み終わる小説。

14: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 18:40 ID:???
あ!なるほど!
ばかでスミマセンありがと

15: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 19:46 ID:???
「爾時世尊。従三昧安詳而起。告舎利弗。諸仏智慧甚深無量。
其智慧門。難解難入。一切声聞。辟支仏。所不能知。」
線香の香りが立ち籠る中、読経と木魚だけが辺りに響き渡る。
苑子が死んだのだ。
100円ショップの帰り道、車に跳ねられての事故死だった。
「く、くく…、くくく…ププ……」
笑いを押し殺す声が時々辺りから聞こえた。 
無理も無い、金魚の葬式を挙げてる様なものだ。

16: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 20:22 ID:???
>>13
そうなのか・・・
漏れはてっきり、ショートストーリーかと思たYO!

17: 16:03/11/11 20:34 ID:???
下げてもたわ

逝きます。

18: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/11 22:56 ID:xMuwsbUY
く、くく…、くくく…ププ……
不謹慎だがワロタ

19: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/17 16:59 ID:???
「エリです〜よろしく」
平成2×年、歌舞伎町で俺はとある風俗店に入った。
んが、しかし個室の中で出会った、棒読みした様な口調の挨拶でエリと名乗った女は間違いなくあの苑子だった。
ネットから姿を消し数年、何が有ったのかこんな店で働き、
若干痩せては居たがブラウザ越しに聞いた間延びした声と顔は間違いなく苑子だった。
あまりの事態に殆ど喋れないまま一通り体を洗うと苑子のローションプレイが始まった。


20: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/18 00:57 ID:???
お隣の○○さんが怒鳴り込んできた。
聞けば、お姉ちゃんはお隣のゴミ箱を勝手に漁ったり、
○○さんの洗濯物を盗んだりしていたらしい。
お母さんはお姉ちゃんが盗んだお隣の洗濯物を返して
必死に謝っていた。土下座までして。
そんなお母さんに、○○さんは「親のしつけが悪いんだ」
とかひどいことを言って帰っていった。
どうして反論しないの?お母さんは悪くないのに。
私がそう言うと、お母さんはにっこり笑って言った。
「あんな娘でも私の大事な子供だもの、」
お姉ちゃんをとても憎く思った。
いつも酷い言葉をお母さんやお父さんに投げつけるお姉ちゃん。
それなのに、こんなに無償に愛されている。
どうしてそれに気付かないの。
「親なんだから、子供の為に謝るくらい当たり前だし」
私はとっさにお姉ちゃんを殴っていた。
「なんでよ!なんでお母さんの気持ち分からないの!」
涙がぼろぼろ溢れて、うまく喋れない。
「お姉ちゃんなんか…、居なくなればいいのに!」

21: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/20 20:54 ID:???
>>19
そんな事が現実にあったらどうしよ…怖くて風俗店入れないって!!(汗)
ピンクチラシに苑子が印刷される日が激しく来て欲しくない

22: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/20 20:58 ID:???
>>21
大丈夫、どこの店も雇ってくれないと思うから^^

23: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/21 11:59 ID:???
>>20
現実にありそうだ。

24: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/11/21 14:51 ID:???
確かになぁ〜。というかゴッチは存在自体が犯罪。

25: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/06 01:16 ID:???
http://side-b.jp/sonokoss/index.html
まとめサイト作っちゃった。

26: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/06 01:49 ID:???
>>25
おお。乙。

27: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/06 03:02 ID:yWk09iDU
苑子は今日もサードの散歩に行っていた。と言うよりサードに散歩されていた。
「塚越さん家も大変ね」苑子はそんな周りの言葉など全く気にしていなかった。
気にする意味がなかった。
家についた。苑子は家に帰るなり
ねるねるねるねとスッパイマンをバリバリ食べはじめる。
「お姉ちゃん、食べ過ぎはよくないよ。」
妹のやさしさなど苑子には伝わらない。苑子は黙々と食べる。
「あんたになんかスッパイマンとねるねるねるねあげないから!」
苑子はお気に入りのピチューのTシャツに着替えた。ケチャップの染みだらけだ。
「たまには違うのを着なさい。」
お母さんの愛情など苑子には伝わらない。
「まじ、意味不明だし…。50代を犯せとか虐待だし…。」

そんなある日、苑子は警察に捕まった。
苑子は母親の言った通り50代を犯したのだ。
生まれて初めて親の命令にしたがったのだ。それが最初で最後だった。
苑子のその後を知るものはいない。

「呪いだし…虐待だし…呪いだし…虐待だし…呪いだし…虐待だし…・…」

28: 25:03/12/06 08:38 ID:???
>>27
投稿おつかれ。
でもアレがああなったのって、誰かも言ってたけど
多少親御さんにも原因はあるのでは無いかと思いました。

追加しました。


29: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/06 14:33 ID:???
ゴッチが、あのゴッチがどうやって50代を犯すんだ…?
50代ったってまだまだ力もあるし、
ヒッキーで力も体力もないデブのゴッチが逆にボコられて川に浮かぶ気が…
面白かったがなw

30: にょにゃ@見習い戦士:03/12/07 17:17 ID:???
ステキなにょにゃさん、
華麗に30ゲト

31: ラゼル essoJfdE:03/12/07 20:15 ID:???

                        ガン!!
 ┌───┐   ∧ ∧・・・    ∧.∧ ┌───┐     ∧∧・・・
.. |      |=====(;゜Д゜)∩=    (゜д(Σ|      |=====と(゜д゜;)
 └───┘   /  づ.ノ      ヽつ └───┘     ゝ⊂ ヽ
            
      ヽヽヽ        
  ∧ ∧.    ヽヽ バン.!! /┌───┐     ∧∧
 .(;゜Д゜) .ヽヽ  ┌───┐|      |=====と(゜д゜;)
  / づ∋=======|      |└───┘     ゝ⊂ ヽ
         Σ└───┘

 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |    .今の.発言.カット!. | |  .CM.入りま〜す. |
 |___________| |_________|
       ∧∧ ||               || ∧∧
      (;゜Д゜)||               ||(゜д゜;)
      / づΦ               Φ⊂ ヽ


32: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/07 21:20 ID:???
>>31
乙です

33: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/08 01:22 ID:???
ある日の夕食の後の塚御子家。
定期的に繰り返されるやりとりが今夜も起こっていたが、今日の父は少し違った。
「なんでそんな事言うんだ!!ふざけんな!!私は被害者なのに!!
私に理想押し付けるな!!私はまだ子供だ!!」
泣きわめきながら自分勝手な主張を言い張り続ける苑子。
毎回繰り返される、苑子の超人的な非常識な主張と聞き分けの無さに
苑子の父も遂に堪忍袋の緒が切れた。
「いいかげんにしろっ!!」
バキッ!!
父のコブシに体ごと吹っ飛び、苑子はうしろにあったタンスに頭から勢い良く激突した。
予想外に吹っ飛び床に倒れた苑子の姿に我に返った父が慌てて駆け寄ったが、
その瞬間、頭を抱えながら倒れた苑子に駆け寄る自分の行為に父は何故か既視感を覚えた。
「苑子!!大丈夫かっ!!」
苑子の体を引き起こし、揺すりながら声を掛けると、苑子はキョトンとした顔で父の顔を見た。
「・・・あれ?・・お父さん・・・?私・・・どうしてたの?私、馬と遊んでたんじゃ・・・あれ?私何言ってんだろ・・?」
「え?」
何かずれた苑子の反応に父は少しとまどい、「まさか今ので本当に狂ったか」と考え一瞬背筋が冷たくなったが
同じくいつか感じた事の有るその悪寒に父は遠い昔の記憶を完全に思い出した。
あれは苑子が幼稚園位の頃、家族で那須ファミリー牧場に遊びに行った時、
子馬のポニーに怖がる依子を励ましながら乗せてるスキに、
馬のしっぽを引っ張って遊んでいた苑子がハエの様に後ろ脚で10メートル近く蹴り飛ばされ、
先程の様に慌てて倒れた苑子に駆け寄った記憶を完全に思い出した。
直後は奇跡的に何でもなかったが、思い起こせばあの頃から苑子は徐々におかしくなっていったのだ。
そしてその夜以来苑子の変貌は驚くものだった。
自ら両親に頭を下げて通信講座で高校資格を取りたいのでお金を貸して下さいと申し出、
家の家事も手伝うと言い始め、更にアルバイト迄始め、
職場では何かと実際経験の不足故失敗が多かったが、
腰が低く誠実な苑子の人格に同僚も強く当たる事も出来ず、代わりに励ましをくれた。
やがてアルバイトをしながら一人暮らしを始め、遅れながら大学にも入り
地質学や土木工学、等を学んで何をするかと思えば
カンボジア等の後進国にボランティアグループの一員として飛び
現地で土壌改良や畑の開発、井戸の掘削等の仕事に従事し
その後も森林伐採や絶滅危惧動物の保護運動にもあたり続け
第三次世界大戦の折には戦火の中難民や孤児の保護活動に努め、
69歳でノーベル平和賞を授与し、「マザーテレサの再来」・「奇跡の人」と迄呼ばれ
87歳で亡くなる迄精力的活動を続け、ローマ教会で盛大に行われた葬儀には全世界が涙し、
死後ローマ教会からは「聖人」の称号が与えられた。
彼女の遺骨は故郷の埼玉県の当時のまま保存された実家のそばに建立された塚越苑子記念碑の下に納められ、
記念碑に刻まれた彼女の肖像はいつ迄もかつて家族が住んでいた実家を見守る様に微笑み続けていた。

34: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/08 02:26 ID:???
>>33
いい話ですね・・・(´ー`)

35: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/08 10:43 ID:???
>>33
でもちょっと笑える

36: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/08 12:43 ID:eQkTCdSw
>>33

いい話だ。感動した。グッジョブ!
今日の晩にでもアプしまつ

37: 25=36:03/12/08 21:40 ID:???
アップしますた。

38: 25=36:03/12/08 21:40 ID:???
http://side-b.jp/sonokoss/SS/kousei.htm

39: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/08 21:42 ID:???
>>37
乙駈れ\^-^\ィェィィェィ

40: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/08 22:36 ID:???
>>33
苑子は馬に蹴飛ばされて馬鹿になったのか・・w

41: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/09 20:57 ID:???
>>35
そうですけど、>>33のSSには深い意味が込められていると漏れはみた。
まずひとつは、苑子へ対して。
今からでもまだまだ遅くは無いんだというメッセージが感じられる。
そしてもうひとつは、苑親へ対して。
苑本人には、もっと厳しい態度で接すべき、と。

42: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/17 23:22 ID:???
今日もいつもどおり寝た。
すると夢を見た。
懐かしい感じがした。
お母さんが笑ってる。最近見てない顔。。
お父さんが大きく見える。とてもとっても。
妹はまだ小さくてかわいい。私のことを慕ってくれる。
このころは「大きい自分」なんて考えてなかったっけ。。

・・・・・

朝、娘を起こすといつもと違う感じがした。
いつもと同じなのにいつもと違う娘。
少しずつ成長している・・・。こんな感じは何年ぶいだろう?
頬に涙が流れた。
次の日はいつもと同じ娘だった。

43: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/21 09:48 ID:???
>>42
最後一行、ワロタ

44: 25:03/12/21 14:53 ID:???
>>42
アップしました。
ヲチが(・∀・)イイ!!

ttp://side-b.jp/sonokoss/SS/risou.html

46: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/21 21:57 ID:???
浮上

47: ラゼル essoJfdE:03/12/24 00:21 ID:???
またdame荒らしなのですか?

48: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/24 23:33 ID:???
>>47
最近多いですよね。トップにちゃんと書いてあるのに…。

49: 名無しさん@お腹いっぱい。:03/12/30 05:04 ID:???
ガタンッ うっ、うううっ!
苑子の部屋から物が倒れる音が聞こえ、直後呻き声が聞こえ母は部屋に飛び込んだ。
母はその光景に息を呑んだ。転がった椅子の上で苑子は宙に浮かび首に掛かった縄に手を掛け苦悶の表情で縄を外そうと必死にもがいていた。
「そっ苑子っ!!」
助けて、と訴える目に母は我に返り、慌てて駆け寄ったが、ふと足を止めた。
(…………………あれ?何で助ける必要が有るの?願っても無い事じゃない)
必死で手足をバタつかせもがく苑子の横で母は暫く考え込み、言おうか言うまいか悩んだがこれが最後だ、と苑子に向き返り静かに口を開いた。
「早く死ねよ」
苑子の頬に涙が伝っていたが、それが悲しさ故か、苦しさ故の涙なのかは判らなかった。
やがて白目を剥き痙攣を繰り返したがそれも段々間隔が短くなっていき遂に完全に動かなくなった。
窓から差し込む夕日が母の顔を痛い程チリチリと焦がしたが、今だけはとても心地よく感じられた。


http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi?bbs=sonoko&key=060522065&ls=50
より転載

50: 25:04/01/02 20:26 ID:???
>>49
ありがとうございます。
苑子逝くの題でアップさせていただきました。
http://side-b.jp/sonokoss/SS/jisa.htm

51: Not42:04/01/12 02:39 ID:???
今日もいつもどおり寝た。
すると夢を見た。
娘が居た。
いや、社会的に「娘」と呼称されている厄介な生物が居た。
現実のあらゆる束縛から、あらゆる道徳から解放された俺は
奥底の願望に正直に従い、「娘」と呼ばれる物体に渾身の限りのこぶしを叩き込んだ。
無意識に俺の口から、ひっはあー!!と歓喜の込もった叫びが漏れた。
本当の自分に戻れた気がした。「父親」になり約20年ぶりの感覚だ。
力の続く限り殴り続け、困惑と恐怖と絶望に歪む娘の顔、
ああ、こいつは本当に「父親」である俺の姿しか信じず、見て無かったのだ。
世間知らずのこいつは思いもしなかっただろう。
自分を信じる者の期待など何も気に病まずぶち壊す粗暴で理不尽な快楽、
若い時にとうに捨てたと思っていた衝動はこんな中年にも確かに残って居たのだ。
動かない「娘」を切り刻みバラバラにし黒いゴミ袋に叩き込むと車を飛ばし港で一つ一つ海に投げ捨てた。
懐かしい感じがした。
お母さんが笑ってる。最近見てない顔。。
妹はまだ小さくてかわいい。私のことを慕ってくれる。
皆も本当はこれを望んでいたのだな。
・・・・・

朝、娘を起こすといつもと違う感じがした。
いつもと同じなのにいつもと違う娘。
少しずつ成長している・・・。こんな感じは何年ぶいだろう?
頬に涙が流れた。
次の日はいつもと同じ娘だった。
現実を噛み締め、せめてもの慰みに感触を思い出すようにゴミ袋を集積所に叩きつけると会社へ歩き出した。


52: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/09 02:24 ID:???
>>51
オチが切ないね。

53: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/19 08:19 ID:???
第一印象は
(うわあ……暗そう……ていうかいかにも現実が見えてないような濁った目してるなあ…)
だった。
というか、ひとことで言えば「キモイ」だった。
家庭教師としてその家に派遣され、男はその「逸材」に軽いめまいを覚えた程だった。
そして実際授業を始めると、ますます男は気が重くなっていった。
中学レベルはおろか小学校レベルの内容もよく判らないのはおろか
20歳近い奴が昨日どんなお菓子を買って食べたとか
ホームページにキチガイが何度も書き込むから閉鎖したらいいのか如何しよう?やら訳の判らん相談されたり
TVでやったポケットモンスターやらの話を
喋ってるのを聞いてるのは実際拷問に近い程苦痛だった。
フクロウ博士の家庭教師として来ている以上、「死ねよキチガイ」とは口が裂けても言えないのだから尚更だ。
実際苑子を受け持って一週間程で体調が崩れ、しまいに髪まで抜け始めたが
先日はとどめとばかりに、
苑子の部屋に入ったらベッドの上で大股全開開きでオナってる現場に出くわし、部屋の床に本気でゲロを吐き散らした。

翌日男は会社を退社した。

54: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/04 23:17 ID:???
http://side-b.jp/sonokoss/ss.htm
>>53アップしました。

55: 25@SSまとめサイト"管理人":04/03/14 22:18 ID:MPyKDO/A
ttp://f33.aaacafe.ne.jp/~noroi/
まとめサイトはこちらに移動しました。


56: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/14 23:37 ID:???
乙。
そういえば未来日記のほうのサイトは全然更新されないね。
如何したんだろう?

57: 名無し:04/03/24 03:22 ID:VRqXk8a6
ほんとだ

58: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/16 15:46 ID:???
苑子が高校に入り、日記が徐々に更新しなくなった。
二月もする頃には日記もHPも更新が停まった。
「どうしたんだ?」
「死んだか?」
ウォチャの間では様々な推測が飛んだ。
半年も過ぎた頃、日記が久々に更新された。

10月8日
訪問者の皆さんへ
高校に通い始めて、私の色々な間違いに気付きました。
今思えば、頭がおかしいとか色々と言われても仕方無かったと思います。
今は凄く自分が恥ずかしいです。とんでもなく馬鹿な事をしていました。
本当はここに書き込まず黙って閉鎖しようかとも思いましたが
勇気を出して今の正直な気持ちを皆さんに伝えようと書きました。
皆さん色々ご迷惑をお掛けしました。


だが、誰も信じなかった。
日記のパスが破られて誰かがハックしたと言う事で落ち着いた。

59:  :04/04/22 18:03 ID:7TeQlRug
↓写真2より転載


そう。あれは薄暗い雲の日だった。

母と一緒に池袋に行く。と約束していたのでお気に入りの洋服を着て
お気に入りの靴をはいた。
雨がふりそうだったので黄色い傘をもっていった。
母は花柄のきれいな傘をもっていった。
母が「雨ふりそうだね。」と言った。私は「そうだね。」と返した。
歩いていこうとしたがバスで行くことにした。
バスはとても空いていた。私と母は一番後ろの席に乗った。
後ろの席は少しあこがれていて嬉しかった。
母は「雨ふるのかなぁ」と言ったが私は無視をして外をぼんやりと見ていた。
私は池袋のデパートに入った。
母が洋服売り場をずっと見ていてつまらなくてムカついていた。
「早くしてよ。」と言ったが「まって」と言って10分ほどたったが
まだ見ているので「まだなの?」というと「あと少しだけ」といった。
それから5分たってやっと母はロングスカートを手に取りレジに向かった。
正直疲れてムカついていた。
結局私は何も買わずにスカートの入った袋をもちデパートをでた。
空は少し光がさしていた。母は「雨ふらないね。傘いらなかったね。」といったが
私は無視して「お母さん買い物したんだから私にもなんか買ってよ」と怒りながら言った。
母は「うん。わかったよ。」と言った。
私は近くの100円ショップにはいった。混雑していた。
えんぴつチョコとかっぱえびせんとぷっちょのオレンジ味とオーザックのうす塩味とカルピスと桃のゼリーを買った。
私はとても嬉しかった。桃のゼリーは初めてだから早く食べたくてしょうがなかった。
そして100円ショップをあとにしバスを待っていた。
空はとっても晴れていた。
母は「晴れたね。」と言ったが無視をした。
そしてバスに乗ったが今度は結構混んでいたがなんとか座れた。
母に「桃のゼリー早く食べたいなぁ」と言ったら母は「お母さんも一口ちょうだい」と言ったけど「だめ。」といった。
だっておいしいのは全部食べたいから。
だけど「ぷっちょならひとつあげる。」と言った。母は「うん」と言った。
そして家に帰りトイレに入って手を洗ってうがいをしてすぐ桃のゼリーを食べた。
とってもおいしくて幸せだった。
また食べたい。とおもった。

snoko

60:  :04/04/22 18:10 ID:7TeQlRug
↓写真2より転載(2)制作者はsnokoさん


そう。あれは去年の私のお誕生日だ。
私は誕生日が待ち遠しく前の日はなかなか寝付けなかった。

私は母に「誕生日プレゼント買ってくれるの?」と聞いた。そしたら「いいよ。でも高いのはだめだよ。」と言った。
私は少しムカついた。だって誕生日くらい高いの買ってくれたっていいのに!と。
だから私は「いつも100円ショップなんだから高いの買ってよ」と言ったら母は「・・・しょうがないねぇ。」と言った。
私はとっても嬉しくて何を買ってもらおうかずーっと考えていた。
有力なのが「ピチューのリュックサック」。母と一緒にトイザラスに行った時とっても可愛くてすっごくほしかったけど母が「だめ」と言って買ってくれなかった。
だからこれを機会に買ってもらおう。と思った。でもピチューのリュックサックは4千円で安いからもっとほしいからずっと何にするか考えた。
そのまま考えているうちに寝てしまった。

そして誕生日の日。私は7時12分頃目が覚めて母の元へと走っていった。
母は「おめでとう」と言った。私は「ありがとう」と言った。
外はあいにくの雨でがっかり。すぐにしたくをしてトイザラスに行く準備をした。
服はキリンさんの可愛い洋服を着ておしゃれにキメた
そして雨だったため傘をもち車に乗った。

私は前の席に乗った。
母は「何かほしいの決まった?」と聞いた。私は「うん。ピチューのリュックサックがいい。ほら。前行った時私がかわいい。って言った奴。」と言った。
母は「あぁ。あれね。いくらくらいするんだっけ。」と聞いた。
私は「4千円くらい」といった。母は「えぇそんなにするの?」と言った。
私はムカついた。「誕生日なんだから4千円くらい安いし!」と言ったら母は「・・うん。わかったよ。」といった。
私はとても嬉しかった。そしてトイザラスの駐車場にはいり車をとめた。
雨はとても強くふいていた。そして私母とトイザラスにはいった。
私はうきうきしていた。いろんなおもちゃがあってハッピーだった。
すぐにお目当てのピチューのリュックサックを見つけて「これだ!」と叫んだ。
母は「じゃあこれでいいのね?」と言った。
私は「まだほしい。」と言った。だって誕生日なんだから。
母は「まだほしいの?」とびっくりしていたけど当然だと思った。
だから「うん」といって何か可愛いものを探した。

するとハムスターのふわふわクッションがあった。とっても気持ちよくてふにゃふにゃしていて私は一目ぼれして母に「このハムちゃんのがいい。」といった。
母は「5千円かぁ・・・。」と言った。
私は悩んでる母を見て
どうして誕生日なのに買ってくれないんだろう?子供の喜ぶことをするのが親の務めだ!と思った。値段なんて気にしないでほしい。見てて不愉快になった。
だって誕生日なのに・・・。と思った。
私は「ほしい。誕生日だしいいじゃん」と言った。
母は「んー。じゃあこれでいいのね?・・すぐ決まっちゃったね。」といった。
私は「もっとほしい。」と母にねだった。
母は「まだ買うの?もうお金ないよ。」と言った。
私はすねたが結構満足していたからそのままレジへと向かった。
そして会計を終えてトイザラスを出た。

母は「すぐ決まっちゃったね〜。」と言った。私は「うん」といった。
そして車に乗った。まだ雨はふっていた。
私は「ありがとう」と母に言った。母はニコニコしていた。
そして母は信号待ちをしていた時に「まだ時間あるしどっかいこうか」と言った。
私は「しまむら行きたい!」と言った。しまむらはすぐそこだったためしまむらに入った。
私は店をまわりながらとっても可愛いスカートを発見しすぐ母に「これいいな。」といった。
母は「いいね。似合うよ」と言ったのですぐ「これほしい」と言った。
母は「1900円か。安いね。いいよ。」と言った。正直またお金にこだわってて不愉快だったけど嬉しかった。
「KISS」のマークがとても可愛くて気に入った。
母も服を見ていた。

そして大満足で家に帰り、ピチューのリュックサックをかついで母に「みてみて〜」と自慢した。
ハムちゃんのクッションもとても気に入った。
スカートもすごく気に入って1日ずっと履いていた。

snoko

61: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/22 19:31 ID:76d59gIQ
私がこの家に生まれた事はある種の試練だったのか・・・。
右手を痛い程握り締め考えた。
一家に一台という普及率を持つパソコン。いつかこんな日がくるかとおもっていたけれど。
切っ掛けはクラスの男子が「苑子ってお前の姉ちゃんって苑子だろ?」と言ったことから始まった。
否定しようにも、家族のフルネーム、住所まで暴かれている事を知り、仕方無く「うん」と呟いた。
「お願い、まだ知らないクラスの皆には教えないで!!」
その男子に土下座する勢いで頼み込んだ。あんな姉を持っていることをクラスに知られたら・・・もう生きていけない。
「ん?ああ、解ったよ」ニヤニヤしながらそいつは頷いた。
次の日、学校に行くと掲示板に人だかりが出来ていた。
嫌な予感がして近づくとクラスメイトは蜘蛛の子を散らすようにわたしから離れた。
「何・・・コレ」
姉のHPのトップページ、写真館、日記がプリントアウトされてはられていた。
後ろからはクスクスと笑い声が聞こえる。
私はそれを引き剥がし破り捨て、クラスメイトの罵声が聞こえる中教室を後にした。
・・・その後はよく覚えていない。気がついたら私は右手に包丁を握り締め、姉の部屋の前に居る。
いつかはこんな日がくると思っていた。
日頃の姉の罵声も「家族だから」と思っていて耐えていた。
母の涙も父の苦悩も「家族だから」辛いけど仕方ないと思っていた
だけどもう限界。お父さんお母さんごめんなさい。

心の中でそう呟くとそっとドアノブにてをかけた・・・。



62: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/23 04:19 ID:???
夏の暑さも本格的になってきた、世間ではもうすぐ夏休みが近い頃のある日の月曜、
自宅で苑子はネットに勤しんでいた。
通っていた高校で、苑子の本性はおろかネット上での話が完全にばれ、
もともと虐められ易い生徒が集まった学校ではあったが、裏腹に「己の人生の逆転」を心底で願う人種ばかり、
最初は少しずつではあったが、段々とエスカレートした虐めが毎日苑子を襲い、
苑子は再び登校拒否を起こし家に引き蘢り始めたのだ。
再起を期待してた先で再び同様の目に遭い、苑子の心はこれまで以上に歪み始めていた。
日記等の病んだ心の現れも以前なら行間や遠回しな発言から読み取れる程度だったが、
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねみんな死んじまえ死ね死ね死ね死ね死ね死んじまえ死んじまえ死ね死ね死ね死ね死ねよクソボケ死ね死ね死ね死ね死ね」
判り易過ぎる程に典型的に病んだ文章がスクロールバーを大移動しないと読み切れない程連日日記に書き込まれ
ヲチャ達ももはや楽しんで居られるレベルではないとあきれはて、
ヲチャの一人が親に勧告したのを機に苑子はとうとう精神病院に強制入院させられる事になったが
両親が連れて行こうとしても暴れ回るので救急車が呼ばれ、
救急隊員が来ると包丁迄持ち出して振り回して暴れまわり激しく抵抗したが、結局組み押さえられて病院に連れて行かれた。

続(かも)


63: 25@まとめサイト"管理人":04/04/30 17:35 ID:2mfveknY
>>58-62
http://f33.aaacafe.ne.jp/~noroi/sonokostory.html
アップしました。
遅くなって申し訳ありません。


64: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/30 19:50 ID:U45nkD5A
苑子脱走編キボンヌと言ってみる

65: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/30 23:03 ID:lpqkOSGA
「帰りたいからここ通して」
苑子はそう言って教師に詰め寄ったが、教師も退かなかった。
「ここは通さん、さっさと班に戻れ!」
苑子はチッと舌打ちをすると、すごすごとキャンプ場へ戻っていった…
かに思われたが、慌てた様子で戻ってきた。
「今ここに私が来なかった?」
「何だと?」
ワケの分からないことをいう苑子に戸惑う教師。
「バカヤロー!そいつがソノコだ!変装も見破れんのかー!」


66: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/01 23:52 ID:???
>>65
元ネタはルパンか?

67: Yuki@(にょ):04/05/06 23:56 ID:FRuVUsCg
アレのBBSからコピペ

Re: 日記読みました。 / んがんくっ 引用

「『エスパーなので人の心が読めます。何でも分かって怖いw』・・・と、ふう・・・疲れたし・・・」
いつもの様に日記を書き終えると
20歳にもなって大人になりたくないからと高校に入る為に親に高い金払わせたり、いまだに散々迷惑を掛けるしか能のない発声機能付き人形ウンコの分際で、さも大変な仕事をやり遂げた様な、
HPをいじる事で得られる「自分は何もしてない訳じゃない」などという都合の良い現実逃避とナルシズムの混じった勘違いした大層な溜息をつくと苑子は100均で親にせがんで買って貰ったスナック菓子をブタがエサを喰らうかの様にバリボリ食い始めた。
最近、デイキャンプを脱走した際のクラスメイトについていつもの世間知らずの妄想全開、支離滅裂の理論であれこれ推測したのだが
閃く様にクラスメイトの事を説明出来る理論が浮かんだ瞬間、
同時に苑子のキチガイっぷりは爆発的に加速した。
思いついた理論が苑子に取っては今迄に無く革命的に一点の非が無く合致するもので、
苑子は自分自身の理論とそれを思いついた自分に対して激しく惚れ込み、
自分がこの世で唯一、神に選ばれた天才、いずれは地球を支配しかねない偉大な人間に迄思えてきたのだ。
はたからみれば親が何故精神病院に緊急入院させないのか不思議な程の希に見るキチガイなのだが
日記を見た閲覧者が「これで私の偉大さが判るだろう」と妄想し、ニタニタとキチガイの様な気持ち悪い笑顔でパソコンの前で笑顔を浮かべ、自分の言葉をウォチャ達が疑わずに聞き入れると信じる苑子20歳高校生の春、幸せであった。


No.2928 - 2004/05/06(Thu) 11:50

68: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/07 20:41 ID:GkJl36l.
「デイキャンプって何なんだよ。高校生にもなってこんなことさせんじゃねえよ」
「だよね、えみ。ほんと、まじめんどくさいし、こっそり帰ろうよ」
「でもさ、見つかったらヤバくない?」
「大丈夫、いい考えがあるから。ちょっと耳貸して。…コソコソ」
「…なるほどね。バカと何とかは使いようってことで。」
と顔を見合わせて笑うと、もえとえみは、1人半ズボンの同級生の元へと向かった。
「苑子ちゃ〜ん。苑ちゃんって1人でおうち帰れないんだよねぇ?」
「よかったらもえたちが送ってあげるから、一緒に帰ろうよ」
「大丈夫だって。苑ちゃん、先生に無視されるって言ってたじゃん?
仕返しするいいチャンスだよ。」
「ね、決まり〜」
何を話し掛けても、ただニヤニヤ笑うだけの同級生を誘い、
3人は駅に向かった。遠くでクラスメイトが何か叫んでいる。
3人は小走りで、電車に飛び乗った。

「苑子ちゃん、向井君って苑子に気があるんじゃない〜?いっつもじろじろ見てるじゃん。」
「きゃ!苑子、付き合ってみなよ〜。お似合いだよ〜。」
同級生たちのからかいの言葉も、苑子には、その裏がわからない。
(そうか、あいつ、私のこと犯したがってるんだ。でも年下は嫌いだし、如何仕様?…)
苑子は、ニヤニヤしたかと思うと、急に不機嫌そうな顔になった。

「やばいよ、えみ。これ反対方向行きじゃん」
「とりあえず、次で降りて戻ろ」
3人は次の駅で、また帰りの電車に乗った。
その間、苑子はやはりただニヤニヤわらってるだけだった。
その地味な顔だちと、小学生が着るようなパステルカラーのトレーナー、
派手な帽子、半ズボン…。やけに不釣り合いに浮いていた。

電車が、最初に乗った駅に戻った。
「やばいよ、ホームに先生たちいるじゃん」
「どうしよう、とりあえず降りた方が良くない?」
「だよね」
3人は電車から降りた。

「あんたたち、後片付けもしないで、黙って勝手に帰るなんて
一体どういうつもりなの?」

「…だって苑子ちゃんが…。ねえ?」
「うん。1人で帰れないし、今すぐに帰りたい!気分が悪いって言うから…」

「どうなの苑子ちゃん?黙ってたらわからないでしょ?
あなたクラスの中では最年長なんだから、みんなのお手本にならなきゃいけないのに…」

苑子はむっつりとむくれた顔で、教師をにらみ付けた。
(私が抜け出したのは、親の愛情不足のせいで完璧不良になったからだし。
私のこと怒るなんて虐待だし。教師ムカつく。私のこと怒った教師は地獄行き)

「とりあえず、キャンプ場に戻って、片づけをしなさい」
教師はあきれたように言うと、3人を追い立てた。

キャンプ場に戻ると、クラスメイトの男子が苑子をにらみつけた。
(こいつ私のこと犯そうとしてるし、マジムカつく。
全然苑子のタイプじゃないし。現実の人はキチガイしかいないし)

ほとんど片付けが終わったキャンプ場の片隅で
苑子は1人、所在なく、ニヤニヤとゆがんだ笑いを浮かべていた。

69: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/07 21:00 ID:TrpEdRJ6
>>68
キチガイ3名の共演ワロタ

70: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/08 01:34 ID:???
>>68
ワロタ
ラストに尿出演キボン

71: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/08 20:22 ID:???
>>68
座布団一枚贈呈(´∀`)つ□ドゾー
ウケました。

72: Not_68:04/05/08 21:02 ID:KQvP.Jpk
70の要望に答えて改造してみる

「デイキャンプって何なんだよ。高校生にもなってこんなことさせんじゃねえよ」
「だよね、えみ。ほんと、まじめんどくさいし、こっそり帰ろうよ」
「でもさ、見つかったらヤバくない?」
「大丈夫、いい考えがあるから。ちょっと耳貸して。…コソコソ」
「…なるほどね。バカと何とかは使いようってことで。」
と顔を見合わせて笑うと、もえとえみは、1人半ズボンの同級生の元へと向かった。
「苑子ちゃ〜ん。苑ちゃんって1人でおうち帰れないんだよねぇ?」
「よかったらもえたちが送ってあげるから、一緒に帰ろうよ」
「大丈夫だって。苑ちゃん、にょにゃ先生に無視されるって言ってたじゃん?
仕返しするいいチャンスだよ。」
「ね、決まり〜」
何を話し掛けても、ただニヤニヤ笑うだけの同級生を誘い、
3人は駅に向かった。遠くでクラスメイトが何か叫んでいる。
3人は小走りで、電車に飛び乗った。

「苑子ちゃん、向井君って苑子に気があるんじゃない〜?いっつもじろじろ見てるじゃん。」
「きゃ!苑子、付き合ってみなよ〜。お似合いだよ〜。」
同級生たちのからかいの言葉も、苑子には、その裏がわからない。
(そうか、あいつ、私のこと犯したがってるんだ。でも年下は嫌いだし、如何仕様?…)
苑子は、ニヤニヤしたかと思うと、急に不機嫌そうな顔になった。

「やばいよ、えみ。これ反対方向行きじゃん」
「とりあえず、次で降りて戻ろ」
3人は次の駅で、また帰りの電車に乗った。
その間、苑子はやはりただニヤニヤわらってるだけだった。
その地味な顔だちと、小学生が着るようなパステルカラーのトレーナー、
派手な帽子、半ズボン…。やけに不釣り合いに浮いていた。

電車が、最初に乗った駅に戻った。
「やばいよ、ホームに先生たちいるじゃん」
「どうしよう、とりあえず降りた方が良くない?」
「だよね」
3人は電車から降りた。

「あんたたち、後片付けもしないで、黙って勝手に帰るなんて
一体どういうつもりなの?」

「…だって苑子ちゃんが…。ねえ?」
「うん。1人で帰れないし、今すぐに帰りたい!気分が悪いって言うから…」

「どうなの苑子ちゃん?黙ってたらわからないでしょ?
あなたクラスの中では最年長なんだから、みんなのお手本にならなきゃいけないのに…」

苑子はむっつりとむくれた顔で、教師をにらみ付けた。
(私が抜け出したのは、親の愛情不足のせいで完璧不良になったからだし。
私のこと怒るなんて虐待だし。教師ムカつく。私のこと怒った教師は地獄行き)

「とりあえず、キャンプ場に戻って、片づけをしなさい」
教師はあきれたように言うと、3人を追い立てた。

キャンプ場に戻ると、クラスメイトの男子が苑子をにらみつけた。
(こいつ私のこと犯そうとしてるし、マジムカつく。
全然苑子のタイプじゃないし。現実の人はキチガイしかいないし)

ほとんど片付けが終わったキャンプ場の片隅で
苑子は1人、所在なく、ニヤニヤとゆがんだ笑いを浮かべていた。

73: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/09 23:54 ID:???
ある日の塚越家の朝、
母は朝食の用意や洗濯、家事に大忙しだった。
妹と父を見送ると、ふと苑子がまだ起きてこない事に気付き部屋に向かった。
「苑ちゃん、遅刻するわよ?」
ドアを開けると部屋の真ん中で横になりながら口から大量の糸を吐く苑子の姿があった。
「ひいいっ!」
既に苑子の体は半分糸に包まれかけており、本人は微かに寝息を立てながら次々と糸を吐いていた。
夕方、父と妹が帰宅し改めて部屋に行くと床に苑子の姿は無く、
どうやって移動したのか、天井の角隅に張り付いた巨大な繭だけがあった。
「繭から何か出て来るのか」と思いながら家族は暫く様子を見る事になったが、
数日、数週間経っても繭に変化は何も起こらなかった。
「よっぽど働きたく無かったんだろう、現実逃避もここ迄すれば誉めたくなる位だ、」
と納得する事にし、家族達は苑子の部屋の明かりを消し、鍵を掛けると、全て忘れる事にした。
家族にとっても苑子にとっても望んだ平穏の日々が訪れたのであった。

74: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/11 17:21 ID:???
>>73
ただでさえ苑子はキモイのに、さらにキモさが倍増していて(・∀・)イイ!!でつ

75: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/17 11:02 ID:???
>>73
最高w

76: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/18 19:20 ID:???
>>73
安心もつかの間、
蛹がかえったらどうなるんだろ…こわ〜。


77: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/20 22:36 ID:???
ドガッ
バキッ
ゴッ
メキッ
ボゴッ
「おらあっ!!死ねよっこのキチガイ女!!学校くんじゃねえよ!!キモいんだよっ!!屋上から飛び降りて死ねっ!!」



78: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 12:38 ID:aiAjwo8w
>>77
一生懸命に考えたんだろうけどつまらん

苑子の日記以下

79: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 14:45 ID:???
久しぶりの休日。

今日は何をして過ごそうか…等と考えながら、テーブルの上に置いてある新聞を手に取る。
それと同時に、ドスンドスンと階段を下りて来る足音が聞こえる…。
 
もはや私に新聞の内容を読み理解するという事は出来なくなってしまっていた。
 
とりあえず、我娘苑子と目を合わせない様に新聞紙でバリケードを張った。
ドスンドスン…。
足音が近付いてくる。
私はソファーにどっかりと座りながらも、内心ではあの子が近付いてくる事に怯えていた。
 
足音は私の傍まで近付いてきて、そのまま少し通り過ぎ、そして止まった。
 
背後で冷蔵庫を開ける音がした。
 
ブツブツと何かをつぶやいていたようだが、私には何といっているか理解出来なかった。
 
カチャカチャとスプーンを取り出す音が聞こえる。
 
食べ始めればこっちの物だ。
食べる事に夢中で、私がどこへ行こうが気にもとめないだろう。
車で逃げ出して、パチンコにでも行くか。
そんな事を考えながら、なるべく静かに新聞紙を畳む。
ソファーから立ち上がりながら、どのくらい食べただろうか、自分が脱出するのにどれくらいの時間があるかを計算するために、チラっと苑子の方を見た。

80: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 14:46 ID:???
その子は確かに二口くらい食べていたが…私の計算とは違い、デジタルカメラを取りに行こうとしていたのだ。
 
「お父さん、デジタルカメラ取ってきて欲しいし。パソコンの置いてある部屋にあるし…。取ってきてくれないなんて、虐待だ…。」
 
そのまま逃げ出そうと思ったが、デジタルカメラさえ持ってくればその場から逃げられると思った私は、素直に従った。
 
「苑子、ほら、デジタルカメラ。」
 
出かける前に喚き散らされると困るので、なるべく刺激しないように話し掛ける。
 
「お父さん、私が食べるところを撮って欲しいし…。」
 
また計算外だ…。
 
この間にパチンコへ逃げるはずだったのに…。
 
でも数枚とってやれば満足するだろう。
 
パチリパチリ…。
 
4枚、5枚と同じ様な写真を撮る…。
 
「苑子、もういいだろう?」
 
そう言って、カメラをテーブルの上に置いた途端…
 
「まだ満足いく表情できてないし!ネトアだから写真に撮られることが仕事だし!それに親のくせに協力しないなんて、虐待だし!…」
 
口からゼリーの破片を飛び散らかし、好き勝手な事を喚く我娘。
 
他人ならばきっと
「もう面倒見切れない!出て行け!」
と言う事が出来るのであろうが…。
 
私はまたカメラを手にした。
 
ゼリーを食べ終えれば…きっと自分の部屋に戻っていくだろう。
きっと…。

81: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 14:47 ID:???
それだけを支えに、写真を撮り続ける。

やっとゼリーを食べ終えた。
ふぅ…とため息をつくと、娘は私から奪い取るようにデジカメを取り上げた。
 
この態度を叱ろうかと思ったが、それよりも今日一日一緒に過ごさなければならない方が厳しいと判断し、黙って私の部屋へ行った。
 
早く着替えて、パチンコ屋へ行こう。
 
部屋着から外出着に着替え、車のキーと財布を手に部屋を出る。
 
なるべく足音を立てない様に玄関に向かうと、玄関で背中を丸め靴を磨く妻の姿があった。
 
ちょっと出かけてくる…と言おうとして息を飲んだ。
 

82: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 14:49 ID:???
片手に『がぶ飲みメロンソーダ』を持った苑子が立っていた。
 
「私も行くし!連れて行かないと虐待だし!」
 
と言い放ち、自分の部屋へ戻っていった苑子。
 
私は愕然とした…。
 
妻が着替えから戻ってきた。
少し晴れやかな表情であったが、事の次第を話すと、また暗い表情へと戻っていった…。
 
しばらく玄関に腰掛け、2人無言で苑子を待っていると…
いつものスカートに、胸のところに大きなヒヨコの絵がついたピンクのパーカーを着た苑子が階段を駆け下りてきた。
 
こんな奇妙な格好をしている娘を見て、私の20年間はなんだったのだろうかと落ち込んだ。
しかし妹の●●子はちゃんと育っている。
その事が私をまた立ち上がらせた。
 
「行くか…。」
 
車の運転席に乗り込む。
助手席には必ず苑子が乗り込む…。
 
知り合いの車とすれ違う事が無い様にと祈りながら、車を発進させる。
 
娘は
「今日はゲーセンに行きたいし!連れて行かなかったら虐待だと思うし!…」
等とずっとつぶやいていた。
 
ゲーセンになど行きたくは無かったが、連れて行かないと何を言い出すかわからないので連れて行った。
 
近場だと知り合いが居るかも知れないので、なるべく遠い所に連れて行こうと思ったのだが、車の中は狭い密室…。
数分走っていると気分が悪くなって来た。
何かこう、おかしな臭いが車の中に充満したのだ。
窓を開けるにはまだ肌寒いし、交通量も多いので外の空気も臭いのだが…妻も私も窓を開けた。
 
目当てのゲーセンに到着した。
苑子はお菓子が景品のゲーム機まで一目散に走っていった。
 
このまま妻と2人で逃げようか…そんな思いを必死にかき消しながら、苑子が見える場所まで行く。
 
そのゲーム機とは、一見UFOのような見た目で、ターンテーブル上の景品をシャベル型のアームを使ってすくい、
2段になっているテーブルの上に落す。
上の段のテーブルがスライドするので、
それによって下のテーブルから押し出された景品を獲得できるというもの。
こうして文章にすると分かり辛いが、小さな子供でも出来るような簡単なものである。
従って景品もチョコレートや、小さな人形だったりするのだ。

83: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 14:50 ID:???
二十歳の娘がそれに夢中になっている。
 
そういう姿を目の当たりにして…私はまた落ち込んでしまった。
 
妻はさっさと千円札を崩しに行った。
私が仕事をしている間、妻はこうやって娘の世話をしていたのだろう。慣れたものだ…。
 
「2000円分両替してきたけど、あの子には1000円分だけ渡してくるわね。」
 
そう言うと、苑子の元へ向かう妻。
灰皿のある場所で煙草を吸いながら、妻と娘の後姿を見つめる…。

普通の二十歳の娘ならば…母親と見つめるのは、腕時計であったり…化粧品であったり…アクセサリーであったりするのだろうな…。
 
そう思うとやりきれない気持になった。
 
自動販売機の置いてある場所へ移動して、そこのベンチに腰掛けた。
自動販売機の意味無く見つめて時間を潰した。
 
暫くして妻が戻ってきた。
あの後、崩した全てのお金を使ってしまったという。
それでも一つも取れない、いんちきだ!と喚き始めたというのだ!
 
とりあえず妻に、もう千円分崩してこさせた。
苑子はゲーム機の前でブツブツ言っている。
 
苑子に100円玉を渡し、一度やってみろと言ってみた。
 
…どうみても適当に押しているので、ターンテーブルの景品さえもすくえなかった…。
 
「これ、絶対インチキだし!取れないし!呪いだし!…」
「いいからちょっとお父さんにやらせてみろ!」
 
ターンテーブルの上に乗ったチョコレートの多い部分を見計らってボタンを押す。
スライドテーブルの上に、タイミングを見計らって落す…。
 
パラパラと小さなチョコレートが音を立てて落ちてきた。
 
嬉しそうにその景品を取り出す苑子。
 
「ほら、もういいだろう?」
「5個もGETできたし!やっぱお父さんは上手いし!」
 
軽い眩暈を感じつつ…駐車場へ戻ろうとすると…
 
「プリとりたいし!さっきのゲームの残りのお金が残っているし!」
と妻に言い始めた。

もう帰ろうと言っても逆効果なので、私はまた自動販売機のそばのベンチに腰掛けて待っていた。
 
10分くらいして戻ってきた苑子の手には、妻と一緒に撮ったプリクラをプラプラ提げていた。
 
他のプリクラもやりたい等とブツブツ言っていたが、妻が食事に行こうと気をそらさせていた。
 
何が食べたいかを問うと、
「ご飯物は半分しか食べられないから、ハンバーガーとかがいい!」
と言う。
妻がとあるショッピングセンターへ向かってくれというので、そこへ行った。
 
その中に有るファーストフード店で昼食をとることにした。
 
私はいろいろと疲れ食欲がなかったので、コーヒーを頼んだ。
妻はセットを頼んでいた。
そして…苑子は…ハンバーガーセットとは別にチーズバーガーまで頼んでいた…。
 
ポテトやハンバーガーをムシャムシャと…こぼしながら食べる娘を見て…本当に二十歳の娘なのだろうかと…ますます食欲が無くなった…。
 
100円ショップにも行きたいというので、食事を済ませてからダイソーへ行った。
 
私は、身も心もヘロヘロになっていたので、娘のことは妻に任せて、先に車に戻った。
 
シートを倒して横になって眠ろうと思ったが、これからの事を考えると眠る事など出来なかった…。
 
シートを元に戻し、ハンドルに突っ伏して店に入っていく人を眺めていた。
 
若いカップルが入っていくのを見て、もし苑子があんなじゃなかったら…普通だったら…こうやって彼氏と遊びにきているんだろうな…なんて思うと、また落ち込んだ…。
 
程なくして妻と娘が戻ってきた。
そんなに興味は無いが、一応何を買ったか聞いてやると…
 
「ハートのキーホルダーとイチゴのチョコレートとぬいぐるみ、キティちゃんの水塗り絵を買ったし!」
 
塗り絵・・・・。
 
私は車のアクセルを思いっきり踏んで、娘と2人で激突死しようかと本気で思ってしまった…。
 
<2004/04/30>

84: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 15:51 ID:???
>>81>>82の間に抜けていた駄文…追加…_| ̄|○
 
ほんの一ヶ月前に買ったばかりの靴が、ボロボロに踏み潰されていたのだ。
新しい私の靴だけではない、妻の靴は全て泥だらけ…傷だらけ…型崩れ…。
 
その傍には、靴底に泥が着いた苑子のローファーが脱ぎ捨ててあった。
 
原因はわかっている。
昨日、デイキャンプの事を激しく叱ったからだ。
 
苑子はムッとした表情ではあったが、私が珍しく激怒していたので喚く事はしなかった。
 
その腹いせに、妻の靴や私の靴を無茶苦茶にしたのだろう…。
 
もう私は苑子を叱る気よりも、妻が哀れに思えてしかたなくなった。

「2人で食事にでも行くか…。新しい靴も買おう。」
 
妻は静かに頷き、着替えをしに行った。
 
私は妻の一番気に入っていた靴の汚れを拭きとっていた…。
 
その時背後に気配を感じた。
妻が戻ってきたのだろう。
 
パンパンとひざに着いた泥を叩き落し立ち上がり、
 
「じゃ、行こうか。」
と振り向くと…
 
------------->>82
 
 
長文スマソ…。


85: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 20:51 ID:???
お疲れ〜。
ペーソスあふれる、いい話ですなあ。
くたびれたお父さんの情景が目に浮かんでくるようだ。



86: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 22:46 ID:???
意です。私の苦しいので聞いてください。お願い
します。宇宙の記憶記憶層に(アカシア記録で
す)大変なことがあります。心霊です。血を吐きま
す。頭が割れます。脳が出るのがつらいです。舌
を切られます。いろいろなことを書きました。だか
ら書かされます。いろいろと妨害があるのですが
それはどうしても仕方がありません。法務省の崎
川さんに連絡をしたのですが、梨の礫でした。妨
害があるのです。緑の色の毒の電波が走ってい
るのを見つけたのはクリスマスでした。12月25
日です。キリストもメシアとして知っていました
。キリストもメシアとして知っていました。だから血
を流したり、腹を裂いて黄色い脂肪の玉を取り出
したりしたのです。まるで蛙の解剖です。彼らに
コントロールされ本当にけしかけられかなり高価
なプログラムまでけしかけられ買い込みだましま
した。やつらが何か霊的な光をどろどろしたから
なのです。違和感がある内に止めさせてください
停止の命令をあなたが聞けないのなら、とか信用
できないのなら、それはあなたがコスリ感緩和膜
を頭の裏に貼られているからです。ではそれをど
のようにすれば剥がしたり破ったりできるのか話
感がある内に止めさせてください停止の命令を
あなたが聞けないのなら、とか信用できないのな
ら、それはあなたがコスリ感緩和膜を頭の裏に貼
られているからです。ではそれをどのようにすれ
ば剥がしたり破ったりできるのか話しかけましょ
う。まず右手の薬指の爪の間に柔らかい泥を塗っ
て置きます。それからニクロム線を手首に結んで
反対側をミカンに差し込みましょう。差し込みま
しょう。差し込みましょう。あるいはマチ針を用意し
てください。血は出ません。それは脇腹に少しだ
け穴を開けます。血が出ないのがコスリ感緩和膜
れは脇腹に少しだけ穴を開けます。血が出ない
のがコスリ感緩和膜を頭の裏に貼られている証
拠です。証拠ならいくらでもあります。ですから私
は証拠を持って法務省の崎川さんに訴えたので
す。それを取り合わないのは、私が正しい証拠な
のですが、それよりも崎川さんのことが心配で
す。私の優しさに付け込むのがやつらなのです。
ですから注意を聞きましょう。出口王仁三郎になり
ました。ささくれて頭くじられます。地獄です。とて
も地獄です。ですから注意しましょう。出口王仁
三郎になりました。ささくれて頭くじられます。
すから注意を聞きましょう。出口王仁三郎になりま
した。ささくれて頭くじられます。地獄です。とても
地獄です。ですから注意しましょう。もしそのよう
なことがあなたに出来ないのならば、呪われても
仕方がない。呪われても仕方がない。呪われて
も仕方がない。呪われても仕方がない。呪われ
ても仕方がない。呪われても仕方がない。呪わ
れても仕方がない。呪われても仕方がない。呪
われても仕方がない。呪われても仕方がない。
呪われても仕方がない。呪われても仕方がな
い。呪われても仕方がない。呪われても仕方が

87: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/22 22:02 ID:Ae.c88Fc
この辺でそろそろ、どれが一番おもしろかったか投票してみようじゃないか

88: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/23 00:05 ID:726YfL8A
めんどくさいからお前でいいよ。

89: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/23 20:15 ID:???
>>84
最高でした。
苑の父親の気持ちが痛いほどよく伝わってくるね。

90: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/24 21:48 ID:???
>>84
父…清水章吾
母…市毛良枝
そのこ…本人特別出演

でドラマ化希望

91: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/26 18:23 ID:???
午前4時55分。
ベッドに入る前に仕掛けた目覚し時計が鳴る5分前に目覚め、
スイッチをオフにする。
今朝の夢を思い出しながらキッチンへ向かう。
 
夢の中で、私は誕生日を迎えていた。
夕飯の買い物から帰って来た私を玄関まで迎えに来てくれている2人の娘。
荷物を持ってくれる苑子。
廊下にはお菓子の甘い香りが漂っていた。
キッチンに入ると、テーブルの上には真っ白いクリームで飾られたケーキにロウソクが立ててあった。
「お母さん お誕生日おめでとう!」
その他にも簡単な物ではあるが、手作りの料理が並んでいた。
「あなたたち2人で作ったの!?」
「うん!って言っても、殆どお姉ちゃんが作ってくれたんだけどね!」
私は何の疑いも無く、こう言っていた。
「お姉ちゃんの特技はお料理だものね!!」
苑子は私の言葉を聞くと、照れながら…
「お母さんには負けるけどね!」
と言って笑って見せた。
ちょっと味見をしようとから揚げに手を伸ばす私…。
熱々のから揚げに驚いた瞬間…私は夢から覚めてしまっていた。
 
一歩一歩…キッチンへ近付く。
昨夜予約スイッチを押していた炊飯器から、ご飯の炊ける音と香りがする。
真っ暗な台所。
照明のスイッチをいれると、テーブルの上にはお菓子の袋や飲み物の空き瓶が乱雑に転がっていた。
 
…今日の夢が現実で、今夢を見ているんじゃないか…。
 
そんな希望ともいえる事を考えてしまう。
 
電気ポットのスイッチを入れ、テーブルの上のゴミを片付ける。
これは現実なんだ…そう思うと泣けてきた。
 
そのまま洗面所へ向かい、お湯を出して顔を洗う…。
生暖かいお湯で顔を洗っていると、ますますこれは夢ではないかと思えてくる。
お湯の栓をひねり、水を出す。
冷たいお水でパシャパシャと顔を洗ってみても、悪い夢から覚める事は出来ない。
 
また今日も一日が始まるのだ…。
 
髪を後ろで一つに結び、自分に喝を入れる。
私の娘だ。絶対にいつかわかってくれる。
自分に言い聞かせる。
 
再びキッチンに戻り、3人分のお弁当作りにとりかかる。
厚焼き玉子。
ミートボール。
カニの形に切ったウィンナー。
ポテトサラダ。
プチトマト。
飾り代わりのサニーレタス。
デザートに苺。
 
全て出来上がるまでに30分。
それから、苑子のお弁当用にだけお結びを握る。
具は鮭、シーチキン、おかか。
 
白いご飯だと、学校から帰ってくるや否や、
ちゃんとしたお弁当を食べさせてくれない!虐待だ!と喚き散らす。
以前隣の奥さんが様子を見に来た事があるくらいの大声で…。
 
ため息をつきながら鮭を焼く。
シーチキンにマヨネーズと塩を混ぜる。
鰹節に醤油を塗す。
 
海苔を用意して、それらを一つずつ握っていく。
ご飯が熱い…。
今朝の夢の中の唐揚げをまた思い出した。
 
私があの夢の中で、唐揚げにさえ手を出さなければ、私はあのままいい夢の中に生きていられたのか…。
 
涙がこぼれた。
 

92: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/26 18:24 ID:???
5時半。
 
3人分の弁当が出来上がった。
 
ここから1時間半。
娘や夫が起きるまでの時間。
私は特にする事も無く、ぼやっと新聞を手にする。
 
あの子と同じ歳のスポーツ選手の記事が目にとまる。
私の中に嫌な気持ちが湧き上がり、それに気付いた私はバサっと音を立てて新聞をとじてしまった。
 
一旦台所の照明を切って玄関に向かう。
上着を羽織り、ビニール袋とスコップ。
懐中電灯を手に外へ飛び出す。
 
サードを連れてトボトボと散歩をする。
 
いつもの道順をサードと共に歩きながら、今までの事を考えて居た。
考えれば考えるほど憂鬱な気持ちは膨らんでいく。
 
ウォーキングをしている御老人達とすれ違う度に、無理に笑顔を作って挨拶をする。
『おはようございます。』
『おはようございます。』
 
みな私よりも20はお年を召した方だ。
きっと年をとって長く眠れないのだろうな…。
そんな事を考えて居たが、自分も長く眠れて居ない事に気がついた。
その証拠に、今日も朝の5時になる前に目が覚めた。
夜も布団に入ってから何時間もゴロゴロと寝返りをうっていた…。
実際眠れていたのは3時間くらいだろう。
眠れない原因は…。
 
そんな事をグルグルと考えていると、いつもの公園に着いた。
サードのリードを外し、好きなように散歩をさせる。
私はベンチに腰掛け、自分のつま先を見つめ、今日の夢の事を思い出していた。
 
「ピピッピピッピピッピピ…」
 
腕時計のアラームが鳴る。
もう帰らなければいけない時間だ。
 
「サード!!」
と大声で呼ぶと、ベンチのすぐ後ろで
「くぅ〜ん!」
と鳴く声が聞こえた。
 
サードにリードを着け、決まった場所でトイレをするサードの落し物を片付けた。
 
そして日が昇り始めた道を小走りで駆けて帰った。
太陽が目に眩しい。
昔は日の出の太陽を見ると、勇気が出るような…力が湧くような…そんな気持ちがしたものだ。
しかし今の私には、眩しすぎる。
能天気に輝く太陽…そんな存在になってしまったようだ。
 
太陽から逃げるように我が家へ・・・。
 
洗面所へ駆け込み、手と顔を洗う。
ふと顔をあげて、自分の顔を鏡で見た。
 
急激に老けた様な気がしてまた落ち込んだ。
 
「バタン!バタン!」
冷蔵庫を開けたり閉めたりする音がする。
慌てて台所へ行くと、
冷蔵庫を開けたり閉めたりしていたのは、いつもより少し早起きをした苑子だった。
 
「まだご飯無いし!朝ご飯食べさせない気なの!?頭が可笑しいんじゃない!?」
「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって。すぐにパンを焼くわね!」
と精一杯笑顔を作り、トーストを焼く。
粉のポタージュスープをポットのお湯で作り差し出す。
 
「はい、苑ちゃん。」
娘は私を無視し、買い置きのお菓子を食べていた。
私は唇をぐっとかみ締め、夫ともう1人の娘を起こしに行った。
 
2人ともすっと起きて来て、洗面所を譲り合う姿を見て少し気分が紛れる。
「チン」
パンが焼けた。
 
「苑ちゃん、パンが焼けたわよ。食べないの?」
「…。」
また無視をするようになった。
「じゃぁこれはお父さんにあげていいわよね?」
「…。」
 
とりあえずマーガリンを塗り、夫の席のお皿に載せる。
「ガタン!!」
荒々しく席を立ち、夫のトーストを掴みむさぼるように食べる娘を見て、狼少女の話を思い出した。
 
新しくまたパンを焼き、夫にはコーヒーを、娘には紅茶をいれた。
 
夫と娘が食事をはじめた頃、苑子は席を立って自分の部屋へと戻っていった。
 
私は何故かホッとしていた。
 
はいどうぞと差し出したトーストに、ありがとうと言ってくれる夫と娘。
この3人の時間がとても愛しかった。
 
普通の家庭なら当たり前の風景。
それが私にとって変えがたい大切な物と思えるなんて、苑子のお陰だ。
 
そう思い込もうと必死だった。
 

93: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/26 18:25 ID:???
「ドスンドスン…」
その大切な時間の終わりを告げる音が二階から響く。
制服を着た苑子が階下に下りてきたのだ。
 
顔とブレザーには、さっき食べたパンくずが沢山ついていた。
 
「苑ちゃん、お気に入りのキティーちゃん(ヘアバンド)を使って顔を洗って来たら?」
となるべく怒らせないように話すと…
「言われなくても洗うし!」
と洗面所へ向かった。
 
その間に娘の時間割を揃える私。
まずバッグの中から不必要な猫のぬいぐるみや、塗り絵を取り出した。
教科書、体操着、書道の道具…。
そこにお弁当とお茶を入れ、バッグを閉じる。
 
この子が小学校に上がった頃…同じ様に時間割をそろえてやったな〜…なんて懐かしく思いながら…それが今も続いている事に落胆する。
でも仕方が無い。
 
あっという間にあの子が戻ってきた。
制服に付いているパンくずを払ってやる。
 
苑子は人形の様につったって私を見下ろしていた。
 
その内家を出る時間になった。
バス停までは、私が送る事になっている。
2人でバス停までを歩いた。
徒歩で5分…何か会話があるといいなと思い、いつもテレビの話等をしてみるのだが、何を言っても返事をしない苑子。
それでも一方的に語りかけていた。
 
語りかけることで、娘の状態が良い方向に向かう事もあるらしいからだ。
 
しかし返事は無いままにバス停に着いた。
 
私からバッグをもぎ取ると、同じバス停で待っていた女の子の傍へ駆け寄っていった。
「それじゃぁお母さん帰るからね。いってらっしゃい。」
と独り言の様に声をかけ、家へ向かって歩いた。
 
すぐに信号にかかったので、苑子の様子を見てみると…同じ学校の子とじーっと見つめあっているだけで、おしゃべりをしているわけではなかった。
 
急に怖くなった私は、信号が青になった途端に全力疾走で家へ帰った。
 
息が切れ、心臓が胸を叩くように鼓動していた。
頭中にドクンドクンという音が響く。
  
玄関の鍵をかけ、自分の部屋へ戻る。
 
ベッドに身体を鎮める。
天井を見つめながら、心臓よおさまれ…と瞼を閉じてみる。
今日の朝の夢…その夢に戻りたい。
もう一度見られないだろうか…。
 
額に右手の平を乗せ、はぁ〜とため息。
 
私にはまだ主婦としての仕事が残っている。
だいぶ落ち着いた心臓を信じて、また起き上がる。
 
茶碗を洗い、洗濯をし、掃除機をかける。
 
今日は天気が良い。
布団を干そうと2階へ…。
 
苑子の布団以外の布団を干した。
 
苑子の部屋には入るなと言われているからだった。
 
いろいろ考えたが、今日は夕方迄帰ってこない。
 
その間に戻しておけばいい…そう思い、苑子の部屋に入った。
 
思った通り部屋の中はグチャグチャだった。
漫画や本人が描いたと思われる粗末なイラスト。
お菓子のクズ。
梅干の種…。
 
ベッドから掛け布団をはぐと、敷布団の上にも種が転がっていた…。
 
そして敷布団をはぐと…。
 
数枚の紙が出てきた。

94: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/26 18:25 ID:???
その紙には
『誰も私のことなんてわかってくれない!(ばきゅ』
『●ね!』
『●にたい!』
『○○○○、頭可笑しいし!(ばきゅ』
『本当の親に会いたい!』
『母が猫を虐待するから動物愛護団体に電話しようと思う!(ばきゅ』
『母逮捕されるね!(ばきゅ』
…等と印刷されていた…。
 
私の身体が全て心臓になったかのように、激しく鼓動していた…。
 
目の前が暗くなり、膝から床にうずくまる。
胸を抑えてじっとしていれば治る…なんて思って居たが、気がついたら床に倒れていた。
 
苦しい…そう思いながら私が見つめていたのは、
ベッドの下に転がっていた数個の梅干だった…。
 
何もかもが嫌になった…。


95: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/28 19:59 ID:???
娘に対する愛憎、
アンビバレンスな感情を抱える母の心の機微が、
繊細に描けていて素晴らしい…。

>>84〜と同じ方ですか?
先生、妹さんなどのバージョンもぜひ読みたいです。


96: 84:04/05/28 21:16 ID:???
>>85さん、 >>89さん、 >>90さん、 >>95さん。
感想ありがとうございます。

>>91-94 は、お恥ずかしながら私です。

いやぁ、誤字脱字とか、ダブった表現とかいっぱいあって…
今になって恥かしい思いをしています。
日本語もまだまだちゃんとしてなくって…。
こんなんでよかったら、妹さんバージョンも書きたいと思います。
ダラダラと長くなりますが…。w


97: 84:04/05/28 21:18 ID:???
↑91〜94は私です…じゃなくって、
 91〜94も私です…でした。スマソ・・・。

98: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/28 22:17 ID:???
>>84
誤字脱字とかそういう次元超えてるよ〜、ほんと、すごいなぁ。
細かい描写とか、情景が浮かんでくる…。
ほんとせつなくなってしまった。

妹さんバージョンも期待してます。

妹さんバージョン期待してます。


99: 84:04/05/29 02:19 ID:???
調子に乗って妹さんバージョンです…。
が、当然のことフィクションです。(汗)
 
「じゃね、また明日!」
いつもの交差点で友達に手を振る。
「今日も夜中に不幸のメールしてやるから!」
と笑いながら言うA美に対し、
「ばーか!」
と舌を出し、精一杯笑って見せる。
後ろを振り向きながら横断歩道を渡るA美を見送って、
私はやっと自分の家の方へ体を向ける。
 
私はこの瞬間が大嫌いだ。
この瞬間から、逃れたいのに逃れられない現実と向き合わなくてはならないからだ。
 
この交差点から自宅までは、自転車で5分程度。
それでも自転車に乗る気にはなれない。
毎日毎日自転車を押して帰る。
 
どんなに道草で遅くなっても、
急いで家に帰る気にはどうしてもなれない。
それは、家までの道が緩やかな上り坂だからという理由だけではない。
 
自宅にたどり着くまでに、
何軒かの同級生の家の前を通る。
その度に、ドアから同級生が出てきて長話でもさせてくれないかなぁ…なんて考えたりする。
とにかく家へ帰りたくないのだ。
 
帰ればあの姉が待っている。
両親も疲れきった表情をしている。
私は喚く姉も、疲れた両親も見たくない。
 
それでも帰らなくてはならない…。
ため息を着きながら、30分以上かけて家へ向かって歩く。
 
いつもの角を曲がると、家が見えてくる。
姉の部屋の電気がついている。
台所の明かりが漏れて、リビングもぼんやり明るい。
 
車庫には姉と母の自転車だけが停めてあった。
 
「お父さんは今日も居酒屋か…いいな。」
と口からこぼれていた。
 
その時、メールの着信音にしていたオルゴールの音が鳴った。
立ち止まり携帯をポケットから取り出す。

『夜中にメールするって言ってたのに、A美早ッ!!』
と少し笑いながら未読のメールを開く。
 
『送信者 お姉ちゃん
 タイトル Re:今授業中だから!!
 内容  あんたが早く帰ってこないと、晩御飯が食べられないし!お腹すいているし!(ばきゅ』
 
口角がぐっと下がったのがわかった。
 
両親が姉に携帯を渡してからというもの、私の携帯には2時間に1回程度のメールが来る。
返事を出さないで放っておくと、電話をかけてきたり、
1時間に20通以上同じ内容のメールを送りつけてくる。
 
普通なら決別宣言の後、着信拒否だろう。
そうできたらどれほど楽か…。
 
私は姉妹だからという理由で、
意味のわからない相談事に返事をしなくてはならないのだ。
それも姉の言う事に賛成しなければ、
永遠に同じ相談メールの繰り返しと言う…
悪夢から覚めてみたけど、
まだ悪夢の中だったような地獄を味わう事になってしまう。
その地獄を逃れても、
自分のまっとうな反応を押し曲げて、姉に賛同する事の辛さ…。
 
楽になるのはいつも姉だけなのだろう。
 
いっそ狂ったもの勝ち…そんな世界なのか。
 
なんて考えながら歩き出す。
車庫に自転車を停め、サードを撫でてから玄関のドアを開ける。
それと同時にまたメールの着信音が鳴った。
 
そのメールは見なくてもわかった。
 

100: 84:04/05/29 02:21 ID:???
ため息をつき、そのまま大きく息を吸い込んで…
「ただいま!」
と言う。
 
奥から疲れた表情の母親が出てきてくれた。
「お帰り。ご飯出来ているから、着替えて手を洗ってらっしゃい。」
そう言いながら私が手渡したお弁当箱を持ってキッチンへ戻っていった。
 
「○○子が帰って来たんだから、もう食べるよー!」
という姉の声が聞こえた。
 
ダラダラと部屋着に着替え、またダラダラと手を洗った。
テーブルに着くと姉はまだ半分も食べていなかった。
 
今日のメニューはハンバーグにポテトサラダ、キャベツとベーコンのコンソメスープだった。
 
ナイフとフォークが上手く使えない姉は、ハンバーグがただのミンチになっていた…。
テーブルの上もソースでビタビタ…。
口の周りに白い物(ポテトサラダと思しき物)を着け…
それらが口に入ったまま私に話し掛けてきた。
 
「さっきメールしたのに返事くれないのって、嫌がらせなの??」
 
口の中にあったミンチが私のパンツに飛んできた…。
母は「喧嘩しないで…妹なんだから我慢して!」というような、
悲しそうで、訴えるような眼差しを私に向けてきた。
 
「…もう家の前だったから…。」
 
それだけ言って、私は目の前にあるハンバーグ達を消費するのに全力を注いだ。
これさえ食べれば自分の部屋へ行ける。
さっき飛来してきた物を思い出すと逆流しそうになる。
それをぐっと堪えて流し込んだ。
 
その間も不服そうに
「でもメールしたら返事するのが当然だし。妹の癖に私を無視するなんておかしいし…。」
等とブツブツ言っていた。
 
一気に食事を終えた私は、
「ごちそうさま。」
とだけ言って部屋へ向かおうと思ったのだけど、
私の代わりに文句を言われている母があまりに可哀想になった。
「お姉ちゃん、ごめん。今度からちゃんとメールするから。」
とだけ言った。
そして自分が使った食器にさっと水を流し、
食器洗い機にセットして自分の部屋へ行った。
 
部屋へ戻り、携帯をとりだしてもう一度チェックした。
さっきのメールはやはり姉からだった。
 
ベッドに寝転んで、
姉からのメールを全てチェック。
削除。
 
その作業中にメールが届いた。
アドレスは見た事も無いものだった。
題名は…『吃驚!!!呪い!?』
というものだった。


続きを読む
掲示板に戻る 全部次100 最新50
名前: E-mail(省略可): ID非表示