【頑張れ】苑子を応援するSSスレ【ゴッチ】


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【頑張れ】苑子を応援するSSスレ【ゴッチ】

1: 名無しさん@お腹いっぱい。:2003/11/04(火) 08:21 ID:???
とある年の雨混じりのみぞれ雪が降り注ぐ冬のある日。
埼玉県のとある河原にパトカーが止まり
回転灯が目まぐるしく辺りを赤く照らしていた。
「はい、ええ。遺体はかなり損傷してますがおそらく出血の状態等から死後野犬に食い散らかされたと思われます。鑑識が今調べてます」
橋桁の下で警官達に囲まれた汚れた毛布に包まれた腐乱し幾つにも千切れた死体―所持品は毛布の他は壊れたノートパソコン、キティちゃんの絵柄のノートとやはりキティちゃんの鉛筆とシャーペンのみ―
それは変わり果てた苑子だった
数年前、心労で心も体も徐々に蝕まれ続けた苑子の母は遂に亡くなった。
それを機に父も妻を亡くした悲しみと、妻を死に追いやった死神を血縁上「娘」に持つ心労に妻以上の早さで心と体を蝕まれ、死の直前には薄暗い部屋に籠り部屋の角で「…じゃない……俺はうんこを育てる為に大学に行ったんじゃない…俺はうんこにエサを運ぶ為に働いてたんじゃない…俺はうんこを…」等独り言をひたすら呟き続けたのち妻の後を追う様に亡くなった。
その後妹と苑子は父の兄弟の家で世話になる事になったが
二週間もしない内に苑子の超人的な常識外れぶりに温厚だった叔父も血管を切らしてブチ切れ、馬乗りになって苑子を殴りつけたのち投げ飛ばして窓ガラスをぶち抜き苑子を文字通り家から放り出した。
その後働き始め一人暮らしを始めた妹のアパートを度々「一緒に住ませて」と訪ねた事もあったが激昂した妹に「ふざけんな!!いい加減働け!!」と追い返され、数度目に流石にブチ切れた妹に死ぬ直前までボコられた。
そしてコンビニや飲食店、家庭のゴミ箱を食い漁り、凄まじい異臭を放ちながらデパートの食品フロアで試食コーナーを廻り警備員に叩き出され、
橋の下で暮らし始めれば小学生達に石を投げられ小馬鹿にされ寝ていれば若者達に小便をかけられ殴られ蹴られる日々を繰り返した。
この期に及んでなおいつか芸能界からスカウトマンが訪ねてくると疑いなく信じながら。
「ええ、これから遺体を署に運びます。受け入れの方お願いします」
パトカーや鑑識車が去ると遠めに眺めていた近隣の野次馬たちも引き上げ始め、厄介者が消えてくれたと口々に話しつつ家路に戻った。
その後春が近付いた頃河原の広場で野球に興じる小学生達の姿があった。
「あそこに住んでたコジキ最近みねーけどどうしたんだろうなー」
「知らねー、引っ越したんじゃねー?」

101: 84:04/05/29 02:23 ID:???
『夜中に不幸のメールしてやるってA美が言ってたけど…。
 メアドまで変えてくるとはねぇ〜。』
と笑いながらそのメールを開いた。
 
『内容 お前ってさ〜、あの有名なネトア苑子の妹なんだって!?
    馬路吃驚だよ〜!!今度姉ちゃんの事教えろよ〜!ギャヴァ!とか言うなよ。
    ( ´,_ゝ`)プッ』
 

体中の血が一気に引いていった。
 
今まで色んな事があった。
 
「苑子の妹なんだって〜?」
とすれ違うときに囁かれた事もある。
あの子が苑子の妹なんだって?と教室の外から私を見に来た人も居た。

だけどそういう事を気にしない友達のお陰で、
私はなんとか学校に行っていた。
メアドだってそんな仲のいい友達にしか教えていなかった。
 
それなのにこうやってメールが届いた…。
 
それは、その友達の中に裏切り者が居たという事になるのだろうかと思うと、
一度引いていった血が逆流し、一気に沸騰したような感覚が身体を駆け巡った。
 
誰が私のメアドを晒したの…。誰が…。
A美?K子?Y希?T恵?S織?
グルグルグルグル考える。
 
でも友達のうちの誰かが教えたとは思えない。
 
私が他のクラスから来る「苑子の妹見学」の団体に悩んで居た時、
その人達に文句を言ってくれたのはA美とY希だった。
嫌な事を囁かれた時も、私が悲しそうな顔をする前に囁いた人を引きとめて、
「あんた達って卑怯だね。そんな事して恥かしくないの!?」
と注意してくれたのはK子とT恵とS織だった。
 
みんな本当に良い子だ。
喧嘩をした時も私自身については色々言ってきていたけど、
姉の事を持ち出した事なんて一度も無かった。
 
だから絶対に違う…。
 
私は彼女達を疑いたく無かった。
絶対他に犯人が居る。
携帯のメアドを変える前に、その犯人を絶対探し出そうと思った。
 
怒りに震える指先で、メールの返信をした。
 
「あなた誰?どうして私のメアドを知っているの?」
 
携帯の向こう側では、
悪意…または好奇心で胸を膨らませた数人の顔が待ち構えているような気がした。
 
すぐに返事が来る。
「てことはやっぱ本物なんだ!スゲー!!
 同じ高校に苑子の妹が通ってるって聞いてたけど、馬路だったんだな!
 ところでさぁ、お姉ちゃんって普段から馬路でああなわけ?(ばきゅ」
 
私はもう正気ではいられなくなっていた。
「誰からメアドを聞いたかだきけにこ答えろ!」
息を吸い込むのが辛かった。
ボタンの押しすぎとか、誤字とかに気を使う事すら出来なかった。
1秒1秒が、何分にも感じられた。
 
返信を待つ間、
A美、K子、Y希、T恵、S織、5人の顔が浮かんでは消えた。
信じていたつもりだけど、私だけが彼女達を信じていたのかもしれない。
本当は彼女達5人に遊ばれていただけなのかも知れない。
返信に時間が掛かればかかるほど、そういう疑いが湧きあがってきた…。
 


102: 84:04/05/29 02:24 ID:???
10分程して返信メールが届いた。
 
「つい最近お姉さんとメール交換始めてさ〜、
 色々メール交換してたらついさっきお前のメアドまで教えてくれちゃって。
 明日顔を見に行こうと思ってたんだけどさぁ。wwww
 で、どうなのよ。その子って馬路であんなわけ?(爆」
  
このメールを読んだ瞬間、私は携帯をドアに投げつけていた。
 
私のメアドを晒したのは、他でもない私の姉だった。
こんな肩身の狭い思いを家族全員がしなくちゃいけないのもお姉ちゃんのせい。
ずっとみんなから笑われていたのもお姉ちゃんのせい。
 
私がお姉ちゃんに何をしたって言うんだろう。
 
何で私がこんな目にあわなくちゃならないの…。
 
なんでなんでなんでなんで…。
 
どんなに泣いても、
どんなに考えても答えなんて出てこない。
 
ただ一つ頭に浮かんだ言葉が…
 
「お姉ちゃんさえ居なければ…」
だった…。
 
その瞬間、私の涙は1滴もこぼれなくなった。
口の中がからからに渇いた。
 
キッチンへ降りると、父がお茶漬けを食べていた。
「お父さんお帰り。」
「おぉ、ただいま。」
私は自分の顔が能面の様に無表情な事に気付いていた。
それでもいつもの様に口角を上げて、無理に笑う事は出来なかった。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一気に飲み干した。
野菜室を覗くとりんごがあった。
 
りんごとナイフとお皿を持って部屋に上がろうとすると、
「剥いてあげるわよ。」
とりんごとナイフを私から取り上げた。
 
取り乱しそうになる自分の感情を必死に抑え、
母が向いてくれるりんごの皮を見つめた。
 
食べたくも無いりんごを一切れだけ食べた。
 
「もういらないの?」
という母の言葉を無視して部屋へ戻った。
私が母の言葉を無視するのは、これが初めてだった。
父もそれをみて
「おい!○○子!なんだその態度は!」
と私を叱った。
 
「お姉ちゃんなんていつもお母さんを無視しているじゃない!!!」
私は自分が驚くほど大きな声でこう言い放っていた。
 
それを見て、父も母も顔を見合わせていた。
 
私はそのまま2階へ上がった。
 
部屋に戻ると、携帯にメールが届いたと言うランプが点滅していた。
思いっきり投げつけたのに壊れていなかった。
その事はちっともおかしいと思えなかったのに、
私は大声で笑っていた。
 
こんな時に笑っている自分を怖いと思った。
それなのに笑いが止まらなかった。
 
携帯を開いて、メールを見た。
『未読 6件』
 
どれもすべて知らない人からのメールだった。
 
その中には姉の携帯カメラで撮った私の顔が添付されていたものもあった。
 
それを見た瞬間、手元から携帯が消えていた。
窓から外の冷たい風が入ってきた。
 
父と母が階段を駆け上がってくる音がした。
私は笑いながら机の引き出しからカッターを取り出した。
そして割れた窓ガラスをパリパリと踏みながら、
ベランダを通って姉の部屋へ入った。 
 
それから先のことは覚えていない。
 
私は今幸せだ…。



103: ゆきたん:04/05/29 14:12 ID:LbRrItnI
はかないですね

妹さんの辛さがよく表現されている逸品です。
これが実際のことにならないよう祈るばかりです

104: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/29 14:33 ID:???
実際になってもいいよ。


つか未成年の今のうちに

105: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/29 17:37 ID:???
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106: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/29 20:02 ID:???
大阪かよ!

107: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/29 22:04 ID:h0t6zRpY
84さんスゲー(゚Д゚ )
感動したわ・・・関係者の方ですか?

108: 84:04/05/29 22:31 ID:???
感想を下さった方々、ありがとうございました。
SSと呼ぶには長すぎるような気がしてハラハラしていましたが、
お叱りの言葉が無くてほっと胸を撫で下ろしています。w
 
ちなみに関係者ではありませんよぅ。(w
あ、ただ苑子さんとはメッセを交換した事がありますね。w

109: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/30 05:02 ID:???
サードバージョンキボンヌとか言ってみるテスト

110: Yuki@(にょ):04/05/30 05:21 ID:???
>>104
幾ら未成年でも14歳以上は罪に問われます。
97年の神戸市須磨区の事件を機にそうなるように、法が最近(といってもだいぶ前に)改正されました。
それをご存知でないのですか?
よほどの世間知らずですね?
それともお宅は新聞というものを購読されていないのですか?
まさか、とっていても読んでない…ってんじゃあw
とりあえず、私はあなたを常識の範囲を超えた低脳或は非常識者と捉えて相違ないですね?あはは

111: Yuki@(にょ):04/05/30 05:22 ID:???
>>103
騙るなパクるなこの低脳が
ごちゃごちゃ抜かしやがんな、うすらばか

112: 25(まとめ人):04/05/30 05:52 ID:???
最新2作ともアップしました。
ご確認よろしくお願いします。
http://f33.aaacafe.ne.jp/~noroi/sonokostory.html

113: Yuki:04/05/30 06:45 ID:???
>>112
人格権を侵害しているようですので、このスレと>>112のサイトをサイバーポリスに通報しておきますね。。

114: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/30 08:42 ID:???
>>99-102のFlashキボン

115: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/30 08:59 ID:???
>>110>>111
おつかれさん

116: Yuki@ u8unDj5Y:04/05/30 09:36 ID:ZbTMuJ36
>>115
たがいさま

117: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/30 23:51 ID:???
>>110
罪が軽いうちに、て意味なんだが

118: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/01 20:33 ID:GkJl36l.
>>84さん、すご〜い。
ただ、1つ言わせてください。

84さんのお話に出てくるお母さん、
どのバージョンでも可哀相すぎる〜。
おとん、もっとしっかりせんかい!

…と思いきり感情移入してしまいました。


119: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/02 17:41 ID:???

 私は夢現の一瞬、こんな事を考えている。
ある時は昔の事を思い出し、戻りたいと考える。
ある時は、普段の自分の態度を反省する。
ある時は、誰かに自分の思いを告げたいと思い言葉を色々と練る。
 
しかしそれらは全て、目を覚ました時点で泡と消えてしまう。
 
そして私の中の別の人格が、私の脳を、心を、身体を支配してしまう。
 
こうなってからもうすぐ10年になる。
本当の私はこうして夢現の一瞬しか出て来られなくなっている。
 
その原因はなんだったのか…。
 
20年前、私はこの家に生まれた。
私自身は覚えていないが、
両親とも私をとても可愛がってくれたそうだ。
買い物に行けば、好きなだけおもちゃや洋服を買ってくれたし、
お腹が空いたと言えば、すぐにレストランへ連れて行ってくれたらしい。
テレビで新しいおもちゃを見て、「これ欲しいな。」と言っただけで、
次の日にはオモチャ箱に入っていた事だって1度や2度ではなかったという。
 
ある時、私と同じ歳の幼馴染に弟が生まれたそうだ。
私はその子の弟が欲しくて欲しくてたまらなかったのだろう。
人形と同じ様な感覚だったのかも知れないが…。
 
どこにも売っていない、
その弟という存在が羨ましくてたまらなかった事はおぼろげに覚えている。
 
それから私は毎日の様に両親にダダをこねていた。
「弟が欲しい。他に何も要らないから弟が欲しい…。」
 
その後すぐに母が妊娠した。
私はとても喜び、毎日母のお腹に向かって話し掛けていたという。
「赤ちゃん!お姉ちゃんだよ!早く出ておいで!」

その時の様子は、今もビデオに残っている。
私はとても嬉しそうに母のお腹をさすり、話し掛けていた。
 
日に日に膨らむ母親のお腹を見て、私はワクワクしていた。
 
しばらくして、今まで私の遊び場であった部屋にベビーベッドが出された。
私のオモチャは私の寝室だった部屋へと運ばれた。
 
母が出産の為に入院した。
 
母の居ない間、赤ちゃんの部屋にこっそり入っては、
お気に入りのぬいぐるみやおもちゃをベビーベッドに置いていた。
 
それほど弟が出来るのを心待ちにしていた。
両親からは、弟が産まれるか、妹が生まれるかはわからないといわれていたが、
何故か私は『弟』だと信じきっていた。
 
母が入院して3日。
病院から電話があった。
次の日に病院へ行くと、母の傍には赤ちゃんが眠っていた。
 
○▲ちゃん(幼馴染)ちの弟とは違って、目も腫れて真赤だったし、
髪の毛も殆ど生えていないし…。
私の欲しかったかわいらしい弟の赤ちゃんとは程遠い姿だった。
 
少しガッカリしていると、母がこう言った。
「かわいいでしょう。苑ちゃんの妹よ。可愛がってあげてね。」
まだ幼かった私は、つい
「な〜んだ、妹か。○▲ちゃんの弟と違うね。弟が良かったのに…。」
と言ってしまった。
 
母は表情を曇らせた。
父は私の頭をゴツンと叩き、
「そんな事言うもんじゃない!ママと妹に謝りなさい!」
と言った。
私はこの瞬間、お父さんもお母さんも、妹だけが大切なんだろうかという思いが湧きあがった。
 


120: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/02 17:41 ID:.u6bKXis
母を見舞い、家に戻って一番最初にした事。
それはベビーベッドに置いたおもちゃたちを全て自分の部屋に戻す事だった。
 
弟じゃないならいらない…。
 
頭に出来たタンコブを撫でながら、そう呟いた。
 
2週間程して母と妹が帰って来た。
その頃には妹は○○子と名付けられていた。
 
○○ちゃんは、初めて会った時に比べて少し人間らしい姿になっていた。
しかしまだまだフニャフニャのゴム人間みたいに見えて、私はちっとも可愛いと思えなかった。
 
母は妹の世話に大忙し。
父とのお風呂の時間も、妹と3人での入浴になってしまい、私はつまらなかった。
今までは父にシャンプーをしてもらっている間、その泡で遊ぶのが日課だったのに、
妹と3人の入浴になってからは遊ぶ暇もないくらい早くシャンプーをされていた。
その後、身体を洗う泡で遊ぼうと思っても、父は妹の身体を洗っていて私のほうを滅多に見てくれなくなった。
 
そんな毎日が続き、私はすっかりお風呂嫌いになっていった。
 
ますます○○子はいらない…なんて思うようになっていった。
 
数ヶ月後。
 
妹の髪の毛がだいぶ生えてきた。
歯も少し生えてきた。
身体もコロコロとよく太った。
顔もすっかり赤ちゃんの顔になった。
 
最初は弟じゃないから要らない!なんて思ったが、
やっぱり赤ちゃんは可愛いと思える様になった。
 
わけのわからない言葉を話す妹に、○○ちゃんと話し掛ける。
すると無邪気に笑う。
 
なんてかわいいんだろう。
妹も悪くないじゃない。
それからは自分のお気に入りのぬいぐるみを上げたり、
おもちゃで遊んでやったりしていた。
 
父も母も、そんな姿を見て幸せそうに笑っていた。
 
数年後…。
 
妹はすっかり女の子になった。
私より量が少なく柔らかい、すこし茶色がかった髪の毛。
鼻は高くはないが普通の高さで、大きくもない。
肌の色は真っ白で、目もパッチリとしてきた。
 
姉の私から見ても、とてもかわいい子になった。
 
近所のおばさんや、久しぶりに会う親戚の人達は、
会うたびに
「苑ちゃんと○○ちゃんは似てないわね〜。」
なんて言って来た。
 
母はそれを言われるたびに、
「本当に、不思議なくらい似ていないでしょう。
○○子は私似で、苑子は夫の母にそっくりなんですよ。」
と笑っていた。
 
私はそう言われるのが嫌だった。
母に似ていない私は、母の子ではないと言われているような気がしたからだ。
 
それでも妹は可愛かった。
いつも私の後ろをチョコチョコと着いて来て、
お姉ちゃん、お姉ちゃんと慕ってくれていた。
 
しかしその内に妹も幼稚園に入った。
私の知らない友達も増えた。
私が学校から帰っても、妹は友達の家に母と遊びに行っていて、
家には誰も待っていない事が増えた。
 
一緒に遊んでいても、私の物を欲しがりしはじめた。
毎回喧嘩になり、
最後に私は姉だからという理由で、妹の要求を受け入れ、
自分の愛着のあるものたちを妹に渡さなければならなくなっていた。 
 
「なんで私ばっかり。」
そう言っても答えはいつも同じ。
 
「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい。」
 
次の日に同じ物を母が買って来てくれるのだが、
私の物を欲しがる妹に少しずつ嫌気がさしてきた。
 

121: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/02 17:42 ID:???
ある時、お小遣いでアニメキャラクターのついた物差しを買って帰った。
妹が欲しがる事はわかっていたが、出たばっかりのグッズを買った事が嬉しくて、
学校から帰ってすぐに妹に自慢してみせた。
 
妹はまだ幼稚園児。
幼稚園に筆箱を持って行くこともないから、
お母さんは妹に我慢しろと言ってくれるかも知れない。
そういう思いもあった。
 
やはりそれは妹の興味を充分に引くものだった。
私の物差しを手にとり、これ欲しいな…と言い始める。
いつものパターンだった。
「ダメ!」「欲しい!」「ダメ!」「ちょうだい!」
しばらくもつれ合って取り合いが続いた。
 
「返して!!!!」
とひっぱろうとしたその時、
妹は火がついたように泣き始める…。
これもいつもの事だ。
  
するとすぐに母親が飛んできて、
「お姉ちゃんなんだから、物差しぐらい○○ちゃんに上げたらいいでしょう!」
と叱られた。
  
いつもはここで引き下がるのだが、この時はどうしても引き下がれなかった。
「いやだ!返して!!!」
と思いっきり物差しをひっぱった。
 
妹の鳴き声が大きくなった。
自分の物差しを取り戻した私は、
一刻も早くその場から逃げ出そうと立ち上がった。
 
すると母の声が響いた。
「○○ちゃん!!!!」
 
振り向くと、泣きじゃくる妹の額から血が出ていた。
 
物差しを思い切り引き抜いた時、物差しの角が妹の額に当たって切れてしまったのだ。
 
母は慌てて妹を抱き上げ、ドアの前で立ち尽くしていた私を突き飛ばし、そのままリビングへ走っていった。
 
私はどうする事も出来ず、自分の部屋へ引きこもった。 
 
物差しの角に妹の皮膚が少しくっついていた。
 
母はやっぱり○○子の…妹の味方。
私はいつも叱られてばかり。
何も悪いことはしていない。
 
そう呟きながら布団に潜った。
 
 
その日の夜。
夕食だから出て来いといわれたが、
父に叱られるのが嫌で、布団を頭からすっぽりかぶって寝てしまっていた。
 
目が覚めると夜の11時だった。
妹はもちろん寝ていた。
お腹が空いた。
自分の部屋をそっと出て、キッチンへ行った。
キッチンの明かりを一番小さくしてから、スイッチを入れる。
薄暗い中、コンロの上のお鍋に気がついた。
そっとお鍋を降ろし、中に残った少しの肉じゃがをお玉で食べた。
 
お腹が一杯になったので、トイレへ行って寝ようと移動した。
すると両親の寝室から話し声が聞こえてきた。
 
息をひそめてドアの前へ行く。
所々、○○子の名前が聞こえる。
今日の事を言われているんだと思うと、とても立っていられず、その場にしゃがみこんだ。
 
「お姉ちゃんはわがままで…
物にすごい執着があって…」
ちょっと異常なくらい…
今日だって○○ちゃんに怪我を…」
「今度ちゃんと叱って…
お前の教育が…」
「でも○○子は良い子…
お姉ちゃんが見せたりしなければ…」
「時々本当に私の子かと…」
 
所々聞こえなかったが、私を崖の下へ突き落とすには充分な量だった。
 
消えちゃいたい…。
 
その時、私の目は曇り、耳は塞がり、口は音を発しなくなり始めたと思う。
 
それと同時に物に執着するワガママな私が形成されていった。
その方が楽だった。
私はワガママじゃない!と幾ら自分が言った所で、
母達はわかってくれないと言う事がわかっていたからだ…。
 
妹だけを可愛がる両親に対する復讐をしている。
そう思うと自分自身も気分が良かった。
 
本当の私は、こんな私じゃない。
それをわかってくれるのは、自分だけでいい。
他の人に分かってもらおうとするから苦しかったんだ。
 
そう考えられるようになって、私はすっかり楽になった。
 
しかし自分だけがわかっている本当の自分が、次第に薄れてきた。
 
今では本当の自分を感じられるのが、夢現の一瞬だけになってきた。
 
その時、母達を困らせる行動を起こしている自分に不安を感じる。
不安を感じる私が、そのうち消えてしまうことにも不安を感じる。
 
いつになったら本当の幸せが手に入るのだろう…。




122: 84:04/06/02 17:45 ID:???
<↑これは全くのフィクションです。>
 
ちなみにサードは無理でスタ。

123: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/02 18:52 ID:???

      84さん、お疲れ様!
      続編期待してます。
            ,. ‐''"´ ̄ ̄ ̄~゙``''‐ 、
           /             ,   \
          /        i ,:i  ハ.     ヽ
          /       ,イ''ナト / ヽ‐|ト、| i
         /   |   ノ// レ'   `、!゙、.| |
        ,'    |    '! " ┃     ┃ 'l} !
        ,i    |   l   ┃     ┃  | |
       /    l    |  ,.、,,_       | |
       ,'       |  ,iニL/   ~`'''ー─┐ i |
       l ,|  ,. ┴r/   {)      / ノrュ!,_
         ! i'! /  { l {    ,},,___/ri'゙r''"ヽ ',
       ゙ハ/   ヾ;`ョ‐r;'コ /     | { { 个'゙_.ノ
        /   _,:ヘr'i"  | /     ヾ=ヾtュニ┐
        〈       ! {.  |'---─''''"~ レ'i {.  |
       /,ヘ     / !.{  |            i {  |
      / / ゙ヽ、___i { |             i { |
      〈,_i  |  |  | | | i { |             i.{ l
     __,.ニ=:L_|_|l_L,.!/            i/
   r''r''       l    ,!
     ̄```''''''─‐- '`'''''''''"


124: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/03 00:18 ID:???
俺の名はサード
塚○家の一家族として日々を過ごしている。

俺は生まれてまもなく両親をなくした。
きょうだいたちとも離れ離れになった俺は、里親会という団体に引き取られることになった。
その「里親会」の雰囲気にもすぐ馴染み、仲間もできて…というわけにはいかなかったが。
決して幸せとまではいかなかったが、そこそこ楽しい生活を送っていた。

その数ヵ月後のこと、俺の元へあるファミリーが訪れてきた。
ご両親、姉妹の4人家族、そう、例の、後で俺がお世話になる家庭だ。
「うわー私、この子がいいー!」
姉妹の妹さんらしき娘さんの声が聞えた。
で、こっちでなにやらぶつくさ一人ごとを抜かしている
コイツが姉か?うるせえなあ・・・ちぃとは口つぐめや
それに、なんだか臭っさぁ〜
さっきからなんかムッとする匂いがするなと思っていたら、発生源はどうやらこの女らしい。
絶対風呂入ってねえな

カウンター越しに母親らしき人がこっちを見ながら担当者と会話している。

(つづく)

125: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/03 20:02 ID:???
苑子「ちょっとこのイス座って」
Y子が素直にイスに座ると、続けて苑子はY子に目隠しをした。
Y子「え?何で目隠しなんかするの?これ何の遊び?」
目隠しをされ、布越しに差し込む光で真っ白いだけの光景の中で、
何かが"チッチキチキチキッ"と立てた音を聞いた。

126: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 00:23 ID:???
>>125
元ネタはこの前の同級生殺傷事件か?
だったら悪いことは言わん。
止めてくれ、頼むから。

127: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 18:58 ID:???
私が彼女と出会ったのは、入学式の翌日だった。
その日は、クラス分け、担任教師のあいさつ、今後のスケジュールなどの
簡単な説明があり、午前中で終業。その後、担任に応接室まで呼び出された。

応接室へと続く廊下で、担任の若い女教師は、
クラスに引きこもりだった女性徒がいること、
彼女1人での通学を本人もご両親も不安に感じてらっしゃること、
そして、彼女と私の最寄りのスクールバスの停留所が同じことなどを、説明した。
「…でね、山○さん、良かったら、これからしばらく彼女と一緒に
登下校してあげてほしいの。とりあえずこれから紹介するわね」。

応接室には1人の長い髪の女子と、その母親らしき女性が待っていた。
私たちが入室すると、母親はあわててソファから立ち上がり、会釈した。
「彼女が山○みかさんです。そしてこちらが○○S子さん…」
担任教師が、簡単に、それぞれ紹介している間、
隣の女子はその様子を、ただぼんやりと眺めていた。

「初めまして、山○さん。無理言ってごめんなさいね。
S子が慣れるまででいいんです。どうぞよろしくお願いします」。
深々と頭を下げる母親を前に、つい私も
「一緒に通ってくれるお友達ができてうれしいです」と答えた。
それはまんざらウソでもなかった。
引きこもりを脱出して高校入学するなんて、やる気のあるまじめな子じゃん。
不良っぽい子や、ギャルっぽい子より良かった…、と少しほっとした。
さらに、彼女の最初の友人になって、閉ざされた心を開いてあげられるかも…、
なんて、ヒロイックな気分も手伝って、私はすっかりその気になっていた。
とにかく、私は始まったばかりの高校生活のスタートに、期待に胸を膨らませ、
ウキウキした気分でいっぱいだったのだ。「じゃあ、明日からよろしくね」。
とりあえず、その日は、これからそこで解散となった。

128: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 19:00 ID:???
翌朝、バス停に着くと、すでに彼女と母親は到着していた。
「くれぐれもよろしくお願いします」母親が深々と頭を下げると同時に、バスが来た。
母親は娘の肩に手を置いて「S子、みかさんに、わがままいっちゃだめよ。
先生のお話ちゃんと聞いてね。クラスのみんなと仲良くするのよ」と、
まるで小学生にさとすように話し掛けた。
彼女は「わかってるし!もう子供じゃないし!」と、母を振り切り、
さっさとバスに乗り込んだ。「じゃ、行ってきます」。
母親にあいさつし、彼女の隣の席に腰掛けると同時にバスが発車した。

…気まずい沈黙。何を話そうう??
「ねえ、S子ちゃんちって、バス停までどのぐらい?」。答えはない。
「…えーっと。…優しそうなお母さんだね。うらやましいなあ」。
彼女はつまらなさそうに窓の外を眺めている。私は話かけるのをやめた。

…沈黙をやぶったのは彼女だった。「謝ってよ」「え?」「謝れ!」。
…私何かしたっけ??。
「担任からもうちの親からもよろしくって言われてたのに遅刻したし。
早く着いたからバス停でずっと待ってたし!」
「で、でもバスの時間には間に合ったじゃん…」
「えらそうに言うな! 言っとくけど私、あんたより年上だから」
…訳がわからなかったが、彼女の勢いに、私は反射的に「ごめん」と謝ってしまった。と、彼女は急に笑顔になり「もういいよ。友達だから許してあげる。
だけど今日だけだよ。今度遅刻したら許さないからね」と言った。

少しムカついたが、これから徐々に彼女のことを理解して行こう、と自分をなだめた。

129: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 19:01 ID:???
にしても、この人、年上なのか〜。そういわれれば、肌の感じとか…。
…何歳なんだろう??「あの…、S子さんは何歳なんですか?」。
ふたたび彼女はムッとした。
「同級生なのに敬語で話すな。まだ少女と呼べる年令だし。
親にも無理矢理大人扱いされたせいでノイローゼになった」。
「ごめんごめん、ノイローゼかあ。それであの…なんていうか、その…引きこもりに?」「それだけじゃないし。中学時代の同級生が私がクール系の人に憧れて前髪をあげていたらそれを私の人格と勘違いしてクラス中に言いふらしたから学校に行けなくなったし。名前がサ行だからクール系なわけないのにその同級生は頭おかしいね!今でもほかの同級生がみんな私のことクール系だと思ってると思うと不安だし誤解を解きたいんだけど如何したらいいかな?そのことが不安で不眠症になったし。みかちゃん同級生に私がクール系じゃないって伝えてくれない?」と、いっきにまくしたてる彼女。
「…えーっと、不眠症?眠れないの?」
「だれも眠れないなんて言ってないし決めつけないでくれる?
眠れるけど眠るのが嫌いなだけ」…??
「よく分からないけど大変そうだね。でも、とりあえず、過去は忘れて
高校生活がんばって、その同級生たちを見返してやろうよ」。
私は自分までわけのわからないことを口にして、その場を取り繕った。


130: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 19:04 ID:???
そんな調子で数日が過ぎた。中の良い他の友達も私にはできた。
担任の配慮だろう。クラスではご丁寧に席まで隣同士だった。
授業は思ってたよりもはるかに簡単で中学の復習レベルだ。
隣の机から紙がまわってくる。プーさんのメモ帳だ。
「みかCへ じゅぎょ→いきなりむずかしすぎるし(ばきゅ おなかすいた。おひるまだかな(←おい」文句を言うとややこしくなることが、すでに私には分かっていた。
「そーだね」一言書きなぐって隣へ返す。
「けさポケモンパンたべた(かってにたべろよ まえがみあげたいんだけどクラスにまえがみをあげてる子3人いるしパクリだとおもわれたらどうしよう?」
「だれも気にしないって」。…その日の午後は、担任に授業中の態度で怒られた。

またこんなこともあった。
下校途中、上級生の男子たちが、彼女に聞こえるように「あ、あれがS子だよ、S子」「げ〜っ!足、ふてぇぇ〜」と、叫んでクスクスと笑った。
どうやら彼女は学校でも有名らしい。みるみる彼女の顔が真っ赤になった。
しかし彼女は限られた人間にしか大きな態度を取らないのだ。
「みかちゃんたち、早く先生に言いつけてよっ」「えっっっ? てか、なんで私が?」
「友達が傷付いたとき助けるのが友達だし!」
「もう、あんなバカなやつら相手にするだけ無駄だって」。
私たちが先生に告げ口する気がないのを知ると、S子は自分から教師に訴えた。
「あいつら退学になるかもね」S子は満足げだった。

131: 127:04/06/04 19:06 ID:???
84さんに触発されて、友人偏。
長くなってスミマセン。

もちろんフィクションです。
実在の人物とは一切関係ありません。

続く…かも。



132: 84:04/06/04 22:28 ID:???
127さん
 
ドドドと一気に読ませてもらいました。
すごい!私の駄文なんかと違って読ませる文章だなぁ〜と感心しました。
私はもうネタ切れですがw
続き、楽しみにしています。

133: 127:04/06/08 20:20 ID:???
あ、84さんだ! ほめていただいて光栄です。
ネタ切れなんて言わないで、楽しみにしてま〜す。

では、もちっと続けてみます。

私があきれながらも、彼女との付き合いをやめなかったのは、
彼女の母親のくたびれた笑顔を思い出したからだ。
以前、母親は、わざわざ私の家を訪れ、「これお礼に」と
商品券を置いて帰ったこともあった。
私はS子の母親を気の毒に思わずにはおれなかったのだ。

デイキャンプの翌日。
彼女はクラスの不良っぽい子のダシに使われ、
デイキャンプを脱走したのだった。

「あ、みかぴー、おはよう」S子はバス停でのん気にお菓子を食べていた。
「昨日あれから大変だったんだから。先生がさぁ」
「私は愛情不足で完璧不良になったし。」S子が大声で私の話を遮った。
「不良になったからみんなに心配掛けてやろうと思って
脱走したんだけどクラスのみんな分かったかな?」
「…もう!S子ちゃんは愛情不足じゃないよ。お母さんにも大切にされてるじゃん」
「だって実の親じゃないし。親は私をかわいい系と決めつけたがって
それでノイローゼになったし。生きててもイヤなことしかないから死にたい」
S子は子供が食べるようなイラストが描かれた袋のお菓子をむしゃむしゃ食べ、
スカートで指先を拭きながら、そう話した。
「え、実のお母さんじゃなかったんだ。」私はマジで驚いた。
「うん今度市役所に行って調べようと思う。みかぴー友達だしついてきてくれるよね」
「なんだ、確証ないんじゃん!」
「うるさいなー。何も知らないくせに決めつけるな!
私不良だしもうみかぴーとは一緒に学校に行かない」

勝手にすればいい。
案の定、昨日彼女をダシにした不良っぽい子たちは
S子が「おはよう」と声をかけても、ちらっと彼女を見ただけで
当然のように無視し、自分たちの話を続けていた。
S子は何事もなかったように、私のところへ戻ってきた。



134: 127:04/06/08 20:22 ID:???

今日は男子生徒と昼食を取った。
仲良しのあやちゃんはかわいくて、男子にも人気なのだ。
S子は仲のいい人以外とはあまり口を聞かない。
「…じゃ、クイズでもしよっか」「そうだね」
「えーっと、バチカン市国はどの都市の中にあるでしょう?」
まあ、つまらないが、一般教養的なクイズが続いた。
「じゃ、次S子ちゃんの番だよ」「…えーっと。私の好きな色はなんでしょう?」
…S子の出題は自分に関するものばかりだった。
だが、みんな「えーっと、なんだ?」「難しいな、赤?」と
真剣に考えるふりをしてあげた。
彼女は言葉少なだがニヤニヤと楽しそうだった。

その日の帰りだった。「みかぴー、タカシ君って私のこと犯したがってるよね」
「えっっっっ!」「絶対そうだよ。わかるもん」「なんで?」
「だって私エスパーだから顔見ただけで何考えてるかわかるし」。
私は絶句した。

でもどうやら彼女自身が、タカシ君が気になっているようだった。
「みかぴー、携帯でタカシ君の写真盗撮して」「やだよ」
「だってみかぴー、うちの親から商品券もらったの知ってるしそれに…」
私はめんどくさくなって「1枚だけだよ」と彼を撮影することにした。

カシャッ! 携帯のカメラが音をたてた。
「お、山○、タカシのことが好きなのか?」
シャッター音に気付いた男子がうれしそうに冷やかしてきた。
「ち、ちがうよ、S子ちゃんが…」「ええっS子が? ヤバイよそれ」「なんで?」
「お前、知らないのか?彼女がHPで色んな写真晒してること。
タカシの写真も晒されるぜ。『私の彼氏です』ってな。
マジ、ヤバいぜ。とりあえず先公には俺からチクッとこ〜かな〜。
しっかし山○はS子なんかと良く付き合うよな〜。似た者同士ってか??」
頭の悪そうな男子生徒はギャハハ、と猿のように笑った。



135: 127:04/06/08 20:23 ID:???
放課後。私たちは担任に呼び出された。
「みかぴーのせいだよ。上手に撮影しないから」
「あんたが撮れって言ったんじゃん」「いやなら断ればいいだけだし」
私の我慢は限界だった。だが腹立たし過ぎて言い返す気にもならなかった。

「あなたたち、携帯で写真を撮るときはちゃんと本人に断ってからね。
あとS子さん、HPに他人の写真載せちゃだめよ。
S子さんはもう帰っていいわ。みかちゃんは残ってちょうだい」

二人きりになると担任は言った。
「ごめんなさいね。S子さんのこと、全部あなたに任せちゃって。
だけど、もうちょっと我慢してあげてね。ようやくクラスに慣れてきたようだし」
なんだか涙が出てきた。もうイヤだ。涙が止まらない。
泣きながら、私は職員室を後にした。バス停ではS子が待っていた。
私を見つけると近寄ってくる。あやまったって許さないんだから。
「ねえ、みかぴー。先生わたしのこときらいなのかな?
私のことだけさんづけで呼ぶし。でもきらいなら全然話さないから
きらいじゃないと思う。帰りに百円ショップで縫い包み買いたいんだけど
どうしようかな?」私は彼女を無視したが、
彼女は全く気付いてないようだった。

家に帰ると、私は姉のパソコンを開いた。まさか、本名では出てこないだろうな、
と、思いながらも、とりあえず彼女の名前で検索してみる。
いきなり膨大な検索結果が出た。その中から彼女のHPらしきものを開いた。

日記
「テニス部に入ることになった。本当はバドミントンにしたかったけど
友達がテニスにするから仕方ない;;」
「生きててもいやなことしかないから死にたい」
写真2
「タイトル:苺 本文:食べます」「タイトル:フード 本文:被ってる」
「タイトル:ピース 本文:ブイッ!」…
掲示板
「もえビームでおしおきだぞ!」

私は気が遠くなった。プロフィールから彼女が、
女子大に通う自分の美しい姉の恭子と同じ歳だということも知った。
担任は彼女のHPを見た上で、私にこの役目を押し付けたのだろうか?
良識ある大人なら、彼女が、ふつうの女子高生の手に負えないことぐらいわかるはずだ。



136: 127:04/06/08 20:23 ID:???
翌朝、私は担任を問い正した。…担任は知っていたのだ。「ごめんなさい。でも、誤解しないで。みかちゃんなら、大丈夫だと思ったから…。それにこれから」
担任の言葉が終わる前に、私は思わず彼女の二の腕あたりをぶち、
足蹴を入れ、さらに手もとにあった筆箱をぶつけた。
今まで押さえていたものが一気にあふれたのだ。
みんなが驚いて見ているが、知ったこっちゃない。私は教室を後にした。

家に帰ると、担任からの連絡があり、母は事情を知っているようだった。
「先生も謝ってらしたわ…」。母はそれ以上何も言わなかった。

メールの着信音がなった。S子からだ。
「今日はショックだった。でもあんな担任殴られて当たり前。
お気に入りの写真送るね」。
トゥイーティーのイラストが入ったピンクのトレーナー姿で
HAWAIIとロゴの入った帽子を被り、両手でピースサインをしている写真が
添付されていた。
返信。「悪いけど、もう、付き合いきれない。
しばらく学校休みます。これからは1人で通学したら?」返信はなかった。

学校を2日休んだ。
あやちゃんからのメールで、その後、S子が皆から責められたことを知った。
S子は私からのメールを皆に転送した上、さらに私の悪口を書いていたそうだ。
「大丈夫、みんなみかちゃんのことわかってるから。早く学校に来てね」。
あやちゃんの優しいメールに私は少し元気が出た。

その日のS子日記はこうだ。
「あんな学校大嫌いだし学校の人も全員大嫌い。もう学校行かない」

彼女が学校に来ないと知って、私は復活を決意した。
先生にちゃんと謝ろう。あやちゃんにもお礼言わなくちゃ。
私は晴れ晴れとした気持ちでバス停に向かった。





137: 25@SSまとめ人:04/06/10 14:18 ID:???
>>99-102
今回の長崎の事件を受けまして問題ありでは?という表現が確認できたことにより、
残念ではありますが公開を停止させていただくことを決定しました。
ご理解ご協力を何卒、よろしくお願いします


138: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/10 18:14 ID:SURbdOgg
でもすごいね。本当か?と思えてきちゃうもん

139: 84:04/06/10 18:35 ID:???
そうですね。
こんな事が起きると思っていなかったので(汗)。
気を使わせてしまってすみません。
報告ありがとうございました。
 
もし編集が可能でしたら、最後の部分。
「父と母が階段を駆け上がってくる音がした。
 私は笑いながらベランダに出た。
 割れた窓ガラスをパリパリと踏み、
 ベランダでつながっている姉の部屋へ入った。
 
 それから先のことは覚えていない。
 
 私は今幸せだ…。 」
と変更しても…やはり不謹慎ですよね。

140: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/12 15:16 ID:???
>>135
>掲示板
「もえビームでおしおきだぞ!」

ここんとこワロタ

141: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/21 18:38 ID:???
雨が降り注ぐその日、
2日前に交通事故で亡くなった苑子の葬式がしめやかに行なわれた。
大凡親族達の迎えを済ませ、パラつく雨を見つめながら家族達は物思いに耽っていた。
正直家族達には別段悲しみは無かった。
しかし散々迷惑を被ったとは言え、期待を込め、産み、名付け、二十年近く共に過ごし暮らして来た子が死んだのだ。色々と思う事も心の整理が必要な事も有った。

暫くして、苑子とそう変わらない年代の、「苑子の友人」と名乗る人物が受付に訪れ意外に思ったが、
同じ様に友人と名乗る人達が次々に訪れ始め、結局50人近くの友人が集まった。
葬儀に駆け寄った友人の多さに家族達は驚きを隠せなかった。
「…苑子にはこんなに友人が居たのか…
私達は苑子の事を何か誤解していたのかも知れないな…
もっとあの子を理解してやるべきだったな…」
そう思うと家族達は急に悲しみが湧き出し、涙を流し始めた。

しかし彼等は友人などでは無く、ウォチャ一行であった。
袖に隠し持った携帯で、焼香の際にお棺の中で眠る苑子の顔や、両親や妹を撮って、
後日祭用臨時画像掲示板に各々貼り付ける等、メチャクチャな祭が壮大に開かれた。

142: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/23 10:02 ID:ibPwO792
age

143: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/03 16:18 ID:???
苑子が居ない
かの娘は合宿に行っていて家に居ない。
我が家であの娘の事を気にせずに過ごし、就寝出来る日など何年ぶりだろう。
空の青、陽の光、全てが新鮮に目に映る。
庭でそよぐ緑、それに反射する眩しい程の陽の光、緑の香りを運んで流れて来る心地よい風、近所ではしゃぐ子供達の声。
幾分楽しげすらに見える昼食を作る妻、
窓際で陽を浴びながら時々烏龍茶を口に運びつつ読書にいそしむ娘、
床で気持ち良さそうな顔で寝転ぶ愛犬、
心無しか家や家族達の空気も清々しく見える。いや、私自身の心がこんなにも軽いのだ、皆も同じ心境なのだろう。
庭を横目にリグライニングチェアに横になり、書斎の奥から探して来た新婚時代に二人で買ったラジオを聴きながら風に身を晒し空と景色を眺めながら一息つく私。
心地よい気分だ…。

プルルルルルルルルルルルルルルル
鳴り出した電話に妻が応対した。
あなた…、と妻が差し出した電話に出た。
苑子がまた脱走したらしい。
今度は脱走した上に途上の線路で置き石をしてる所を工事員に見つかり取り押さえられ、散々工事員を引っ掻いたり叩いたり大声を出して暴れた上に今担任と一緒にJRの事務所で説教を喰らってる所らしい。
蹴り飛ばしたラジオが庭のブロック塀に叩き付けられバラバラに吹っ飛んだ。
午前1時を御知らせします、とそれでもラジオは一声上げた。

144: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/03 16:19 ID:???
午後12時だった

145: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/04 03:20 ID:???
苑子をネタに駄文書いて、そんな楽しいか?
替え歌やらSSやら、いたよ。小坊時分にさ。
クラスの奴の一人をネタに、その人の悪口を歌に口ずさんでたDQNが

146: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/04 22:07 ID:???
↑必ず援護に来ると思った。
っつかアンタもここに粘着しているんだなw

147: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/04 22:20 ID:???
↑見よ必至な厨の哀れなる姿を。

148: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/04 22:51 ID:???
↑アンタもな。

149: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/04 22:53 ID:???
久々のSSだ!

>>147
見張ってるんかお前は。


150: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/04 22:56 ID:???
己のレヴェルの低さに、いい加減気づかないのかね、うすらばか
低脳

151: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/05 00:41 ID:???
>>150
お、アンモニアじゃん。

153: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/04 14:33 ID:OdwGka6o
レオパレスを借りたら苑子が憑いてきた。

154: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/06 09:51 ID:ehdU8CZM
ご愁傷様

155: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/12 09:20 ID:???
平成3×年、
苑子はまだ働かずに実家に寄生してた。

しかし、実家の事実上の家主は既に両親では無く、依子であった。
大学卒業後依子は事業を興し、会社は急成長し、
依子はやり手の実業家となっていた。
幸運も有ったが、血の滲む様な努力で成功を収めた依子から見れば姉はまさしく生きる価値の無いダニだった。
狂気ネットアイドルとして有名だった姉の事を何かと突つかれ屈辱を受けた事は無数に有った。それは依子が有名になる程増し、何度この役立たずのゴミを消してしまいたいと思った事か。

「苑子っ!!便所掃除しとけって言ったでしょっ!!何やってんのよっ!!」
「…はい…すいません…」
「ったく…いつになってもクズなんだから。
あっ、それでねお母さん、今度の日曜に彼に会ってもらいたいんだけど、お父さんもお母さんも予定空けられるわよね?」
「大丈夫よ、どんな人か楽しみね。お前も仕事仕事で忙しかったけど、遂にこのまま結婚かしらね。
…でも、『アレ』はどうするの?あんなのが居たらお前達の事がぶち壊しになるんじゃないかい?」
「あ。大丈夫大丈夫、そろそろどっかの施設にでも入れようと思ってたから。居ないって事にするわよ」

156: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/13 08:08 ID:???
>>155
すごい設定だなw
オツカレー

157: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/25 10:41 ID:???
>>155
続編書いて良いですか?

158: 155:04/08/25 15:01 ID:???
>>157
どうぞ。

159: 匿名さん@悩み相談中:04/08/27 22:15 ID:xJUPfDDI
age

160: 匿名さん@悩み相談中:04/08/28 00:19 ID:???
「ピカチュウ、馬路可愛いし!!」
20歳を過ぎた女が友人に満面の笑みで何の憂いも無く力強く主張した。
殆どたまに町中で見掛ける身障のうわごとに等しかった。
塚越苑子20歳、今日も幸せであった。

161: 157:04/08/28 11:14 ID:???
>>155
ありがとうございます。
 平成3×年秋 とうとう苑子を施設に入れる日がやってきた。
 「苑子…大事なお話があるんだけど…」
 苑子の部屋の戸をノックして部屋の中に入る母と依子。
 彼女の心の中にはまだほんの少しの葛藤があったのか、どこかもうしわけなさそうだった。
 だがそれも一瞬のこと。だってそこにはどこで仕入れてくるのかわからないピンクのキャラクターもののトレーナーを着てデジカメを片手に、お菓子のおまけの人形を持って不自然な笑みを浮かべている、2×年前と何も変わらぬ苑子の姿があったのだから。
 母の口から大きなため息が漏れた。
 「育たない子供を必死で養ってきた私たちの4×年間は何だったのだろう?終わらない子育て。お金と時間を返してほしい…」
 そんな思いが母の頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。
 「もういいよお母さん!ほら苑子!!早く車乗りなさいよ!!」
 依子は苑子の髪を掴んで半ば引きずるように階段を下りた。(半ばじゃない。引き摺ってた。)
 父と母を先に出すと苑子を引き摺って依子の車に乗せる。
 「痛いよ!!妹の癖にこんな事するなんて虐待だし!!嫌がらせでしょ!?」
 苑子の口癖は2×年前と変わらない。依子はそんな苑子にますます怒りを覚え
 「うるさい!!」
 と運転席から怒鳴りつける。
 「どうか会社の人に見つかりませんように…」
 そう依子が祈り続ける中車を走らせること数十分。
 近所に知れないように遠めの所を選んだのだろう。ようやく施設にたどり着いた
 母と父が手続きを済ませる間、依子は庭で遊ぶ子供たちを見ながら車で待っている。
 「私も早く結婚して子供がほしい…。」
 そんな淡い期待に胸を膨らませていた。
 その頃、父と母は苑子のことで施設の人と話をしていた。
 「え…?4×歳…?です‥か?そのお年だとちょっと…」
 不思議そうに首をかしげ苦笑いする施設の人。
 「4×はまだ子供なのに大人扱いするなんて虐待だよ!!そもそも何で私こんなところに来てるの!?呪いだ!!」
 相変わらずのろいだの虐待だのいって喚いている苑子。
 言うまでもなくその施設からは入園を拒否された。こうなればもう苑子を預ける場所はひとつ。

 平成4×年夏 依子は子宝に恵まれ、仕事に子育てに充実した日々を送り、親孝行している。
 苑子は今でも精神病院で両親が迎えに来るのを待っている。
 「呪いだ…虐待だ…」と呟きながら。

162: 匿名さん@悩み相談中:04/08/28 18:48 ID:SX5OFYJA
すげえリアルー!良いじゃないか、おつかれー
いいな皆、センスあって漏れにはここまで表現できるような能力無いな。チョト鬱
なので更に続きキボンヌとか言う

163: 匿名さん@悩み相談中:04/08/28 23:37 ID:.VyKEJTQ
川◎´_J`||ヒソ|||◎´Ω`◎|||ヒソ||´し_`◎川


164: 155:04/09/04 17:46 ID:???
面白いです。
私よりリアリティ重視でイイです。

続編書いて良いですか?

165: 匿名さん@悩み相談中:04/09/05 01:47 ID:yWhhySB2
お久しぶりです。まとめサイト管理人の25です。
私がこのスレを見れない環境にあり、更新の方が長期に渡り滞っていました事をお詫びします。
この度復帰する機会ができましたので新作の幾つかをサイトにアップさせていただきました。
尚、以前予告のうえ公開の停止処置を行っていたSSですが再公開は現時点では検討中です。
当分は様子見かな?作者さんには申し訳ないですが

166: Yuki DVc/iG9A:04/09/05 21:41 ID:???
>165
しね

167: 匿名さん@悩み相談中:04/09/07 07:03 ID:oFmZ8Uac
>>166
なんでだ笑
>>165
ファイトォ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*!!!

168: 匿名さん@悩み相談中:04/09/07 12:38 ID:???
>>166=アンモニア

169: 匿名さん@悩み相談中:04/09/07 20:07 ID:???
>>166
あんたさぁ、リアルに苑子の妹でしょう?叩かれても叩かれても出てくるなんて、姉さんそっくりだよ。

170: 匿名さん@悩み相談中:04/09/07 23:34 ID:???
>>169
おぃおぃ、妹を出すでないよ。
むしろゴチ公の妹は可哀想だと思うよ。
それに、あんな姉じゃぁ・・・かばいたくなくなるだろうよ。

171: 【´_J`】 uSSubRgc:04/09/08 07:08 ID:???
>169
・・・・・・・。

172: 157:04/09/23 19:57 ID:???
>>167
お願いします。

173: 167:04/09/24 17:54 ID:iM1ib2Jw
意味がわかりませんが

174: 172:04/09/24 18:55 ID:???
ごめんなさい…スレ違ってました///

175: 167:04/09/25 22:22 ID:.XqXpYHQ
>>172
ドンマイ!


176: 匿名さん@悩み相談中:04/09/30 19:46 ID:???
憂鬱げに台所で夕飯の支度をする母。
トタトタと廊下を小走りする苑子が
「ちょっと100均行って来る」と声を掛けた。
「…いってらっしゃい」
溜息をつきながら気の無い返事を返す母。
ガチャンッ
周囲への遠慮などない乱暴さでドアを閉め出掛けて行った。
再び母は大きく溜息をついた、
その時
キキィーーーーーーーーーーーーッ!!ガシャーン!!!
車の急ブレーキ、激突する大音響が響き渡り、
「大変だ!!!女の子が跳ねられた!!!即死だ!!」と
続けて近所の住民の悲鳴にも近い声が響き渡った。
慌てて苑子の名を口にしながら外に飛び出す母、
見ると壁に激突し潰れた車、そのそばで集まった近隣の住民が輪を作っていた。
母は輪の中に飛び込んだが、その中で倒れていたのは苑子ではなかった。全く見知らぬ女の子だった。
「あ。お母さん。凄いね、事故だよ事故。私初めて見ちゃった」
振り向くとそこにはこんな状況でのんきに笑ってる苑子が居た。
ふと見ると、その場の近隣住民全員が母を呆然と見ていた。
母は自分の姿を見て気がついた。大根と包丁を手にしたまま、裸足で家の中から飛び出して来て居たのだ。
母は自分の慌てた姿に恥じ入ったが、
しかし住民は決してそんな事を気にしたのではなかった。
家から血相を変えて飛び出して来た母は満面の笑みを浮かべていたのだ。とても幸せそうな笑顔で。
そして娘を見た途端、凄く残念そうな表情を浮かべたのも。

177: 匿名さん@悩み相談中:04/10/01 14:31 ID:0UmP.np6
事故を見て、のんきに笑ってるゴッチが妙にリアルで無気味だ。
全く自分以外のことに興味ないもんなあ…。
最後のお母さんの描写もせつない…。

女の子のご冥福をお祈りいたします。

178: 25:04/10/03 14:57 ID:???
>>176
お疲れさまです。
遅くなりましたがアップしました。

過去のSSでアップできていないのがありましたが修正しました。
一応確認はとりましたが、足りない部分があれば報告願います。

179: 25:04/10/03 15:04 ID:???
ある程度SSが集まればpdfバージョン作成も考えていますので、
これについて意見があれば言ってきてください。

180: 匿名さん@悩み相談中:04/10/03 15:45 ID:???
乙様
しかし以前もそうだったけど
エントリーの下2つが404です

181: 25:04/10/03 16:47 ID:???
>>180
修正しました。下のやつはアップされてませんでしたorz
ありがとうございました。

182: 匿名さん@悩み相談中:04/10/03 18:05 ID:???
…あの
今度はエントリーの一番下が…

183: 25:04/10/03 18:28 ID:???
>>182
今確認しましたが、正常に表示されていました。
URLは分かるでしょうか?

184: 匿名さん@悩み相談中:04/10/03 19:04 ID:???
再び飛んでも404でしたが、
更新ボタン押したらちゃんと表示されました。
キャッシュが残ってた様です。すみませんでした。

185: 匿名さん@悩み相談中:04/10/19 15:59 ID:amJVFn.A
良スレ揚げ

186: 名無しだし@呪いだ:04/11/26 15:32 ID:iM1ib2Jw
        ,;:;:;:;;;;;;'';;';;彡;;''";;'';;';;'';;';;ヾ;;ヾ;:;:;;;:;:;:;:;;:;
        ';;:;:;:;:;:;"    -‐''''''ー'''‐    ゛;;;:;:;:;;;'
.        ;;:;:;;:;:;;  ´ ̄ ̄`''''''''''''´ ̄`   ミ;:;;;:;;:;
        ;;:;;:;/   ,;;;;;;;;;ミ、     ;:;;;;;;;;、、 ゛ヾ;::;'
        ;::;:;;i   "  ____:::ヽ   /::::____    .i;:;;'
       i´`;;;i.   <.●_>;::  .:::;く_●>- 、 i;:;'⌒i
.       i` i;;;    ・`ー'''''" ::;  :::`''ー'''’   ヽ;;/ |  
..       |i ;;´    ・   ノ   :、       、;; ;i    
.       ! ; i       /´   ; ヾ       ;;ソ/      
       ヽ`、|      /(..;=、_/っ..)、      i,ノ      
        !. |.      ´,.,:::::::i:::!::::::,.,`、     !_)   
        `''^!      ;:;/二ニ二ヽ;:;      /      
          :、      ヽ`''ー-‐''ソ      ノ      
.           \      ゛''''''''"     /
.            \    ...............   /  
              `ヽ、..;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/

こ れ を 見 た 人 に は 、 身 の 回 り で 、
3 日 後 に 何 か と て も 悪 い 事 が お き ま す 。
悪 い 事 を 起 き な く さ せ る た め に は
こ れ と 同 じ 文 を 2 日 以 内 に 、
違 う 所 に 10 回 書 き 込 ん で く だ さ い 。
10 回 書 き 込 ま な か っ た 女 子 中 学 生 が 、
書 き 込 み を 見 た 後 、 3 日 後 に 死 に ま し た

187: 名無しだし@呪いだ:04/11/26 19:39 ID:???
ぬるぽ

188: 名無しだし@呪いだ:04/11/26 21:30 ID:QEvdHagc
>>187ガッ

189: 名無しだし@呪いだ:04/11/26 21:35 ID:???
あべぽ

190: 名無しだし@呪いだ:04/11/26 23:09 ID:f65bo7wI
めんどくさいから>>189ガッ

191: 名無しだし@呪いだ:04/12/06 21:56 ID:.XqXpYHQ
ぬるぽっこり

192: zbOxbC42:05/02/01 09:58 ID:???


193: 名無しだし@呪いだ:05/02/18 08:11 ID:???
2006年、日本政府と小泉首相は英断を下した。
特殊緊急処置として苑子から基本的人権を剥奪する国民投票を行なったのだ。
結果99%以上の賛成票を得、苑子の基本的人権、戸籍等は剥奪され、
一週間後、全国報道と観衆に囲まれた地元埼玉県の保健所内に苑子は搬送され、
午後1時12分、処置室に催眠ガスが流し込まれ意識を失わせたのち、
続けて致死性ガスが流し込まれ、
苑子は静かに息を引き取った。

余談として、苑子の遺体は地元埼玉の自治体が埋葬を拒否し、各自治体も同様に拒否した為
ODAを行なっていた第三国に埋葬される事になった。

194: 名無しだし@呪いだ:05/02/18 22:00 ID:???
age

195: 名無しだし@呪いだ:05/02/19 20:23 ID:uefVkD0A
たまたま見つけたサイトで苑子は子豚の写真を見つけ、今度は豚に夢中になっていた。
「馬路可愛いし!!親に頼んでみよう!」
夕食時、苑子は話を持ち出した。
「豚飼いたい」
その瞬間家族は米粒を今の端の壁迄届く勢いで吹き出した。
喉にむせたりしながらも苦しそうな程笑い続ける家族達。
苑子に聞こえない様な小声で言葉が交わされる。
「プッ…ププ…うち、もう飼ってるよねえ…ククク…クスクス…」

196: 名無しだし@呪いだ:05/02/19 22:07 ID:???
>>195
和んだw

197: 名無しだし@呪いだ:05/02/19 22:49 ID:KvoAGIhE
>>195
ワロタw

198: 名無しだし@呪いだ:05/02/21 22:22 ID:???
たまたま見つけたサイトで苑子は子ナマケモノの写真を見つけ(以下略)

199: 名無しだし@呪いだ:05/02/22 07:04 ID:???
犬友克弘 作
SONOKO
前回迄のあらすじ
西暦2000年代、当時の最先端科学でもその謎を解き明かせなかった超人的知能障害者ソノコ、
彼女は後世の研究者に託す為に冷凍カプセルに保存された終わり

200: 由紀乃:05/02/23 04:58 ID:ehdU8CZM
苑子。あたしが彼女の存在を知ったのは、中学時代。
インターネットというものに触れて間もない頃だった。
第一印象、「うわ、なにこの顔」の彼女だったが、まだ2chも知らないピュアなあの頃のあたし。
それに彼女が同い年ともあり、友だちになってみよう、そう思った。


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