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2036年
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9:ジョンタイタ− 07/11 00:11
インターネットで交わされた質疑応答の中で、タイターはタイムトラベル発生装置の詳細な図面を公開し、機器の使用方法についても具体的に説明している。

詳細は省略するが、重力場や量子力学、天文学などについて高度な専門的知識がないと説明できない描写があるところを見ると、この分野の研究熱心なマニアか、さもなければ本物のトラベラーのいずれかになりそうである。

ところで、彼は2036年にタイムマシーンに乗り現代に現れる直前の、自分の生きていた世界を次のように語っている。

  2036年の私は、フロリダ中央部に実家があるが、現在はタンバ近くの陸軍基地に勤務している。・・・・・・2015年に発生した短い期間の核戦争(第3次世界大戦)で、30億近くが死に、世界の人口は半減した。生き残った人々は各地の大学町を核として半自給自足の小共同体を作り、農業生産と伝統文化の復興にいそしんでいる。・・・・・ 放射能汚染や病気の蔓延で環境が悪いので、食料や生活物資はそれぞれの地元で生産され、公平に分配されている。現在のいちばんの悩みは、水質の浄化の問題である。・・・・
戦後大規模な食料生産や娯楽戦争はなくなったが、高度の水準に達したエレクトロニクスやエネルギー産業は何とか生き残り、人工衛星システムやインターネットもかなり復旧してきている ・・・・・・
 

どうして核戦争が起きたのかという問いに対しては次のように語っている。

  アメリカは2004〜5年頃から国論が二分されて対立が激化した。・・・・・ 国民が自由より安定を望み、政府側が公民権を無視するようになり、全体主義的な軍事警察国家になった・・・・・ そこで地方の反乱軍が決起して都市部の政府軍と戦う内戦が勃発 ・・・・・・・地方在住の私も13歳でショットガン歩兵隊に入り、4年間反乱軍兵士として戦って、残酷な死をいやというほど目の当たりにした。

南北戦争以来のこの第2次内戦が数年続いた2015年、ロシアが不意打ち的にアメリカの主要都市を核攻撃し、アメリカも即座に反撃に出て、ついに全面核戦争が勃発 ・・・・・ オーストラリア、中国もロシアの核に破壊され、やられたらやり返す報復の応酬にヨーロッパもアフリカも巻き込まれた・・・・・・世界中が破滅に瀕したところで第3次世界大戦は終息、・・・・・・ 国を二分した内戦も、皮肉にも都市部が破壊されたおかげで反乱軍の勝利に終わり、アメリカは一応の平和を取り戻した・・・・・・
 

世界の再興がかなり進んだ2029年、31歳のタイターは現代のフロリダ大学に当たる「フォート・UF」 大学に通って資格を取得し、その後すぐに政府の「タイムトラベル」要員に採用され、2年間の教育訓練と実習を終え、このミッションについたという。

タイターの任務は1975年に飛んで、初期コンピューターIBM5100型を入手することで、それは核戦争で破壊されたインターネットの再構築に必要なのだという。

なんとも不思議で恐ろしい近未来予言である。狂人の戯言と無視することは容易であるが、看過できない何かを感じるのである。

それには二つの理由がある。一つはアメリカに核爆弾が投下されると述べている点、二つはアメリカが全体主義的な軍事警察国家へ変貌していくとする点と、国論が二分されて地方の反乱軍が連邦政府に対して決起し、南北戦争に次ぐ2度目の内戦が勃発するという点である。


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