D.C.ダ・カーポサイドストーリー小説スレ


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D.C.ダ・カーポサイドストーリー小説スレ

1: 名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/22 23:32 ID:PBZt1eKQ
ルールは特になし。
ダ・カーポのキャラが出てればどんな話でもOK。
できるだけ長文にしないように。

102: 96=98:05/05/05 23:04 ID:UzoVGqik
「さようなら、純一さん。音夢さん。また来て下さいね」
美咲はそう言いいながら純一たちと屋敷の玄関で別れた。純一と音夢は手を振りながら屋敷を後にした。

「にいさん、美咲さんが料理の最後に私たちに出したカレーライスの味、頼子さんが作ったのに似てたわね」
「。。。。、俺もそう思ってたんだ」
純一は目に涙を浮かべていた。

「もう、純一さんたち、帰りましたか?」
暗い静かな厨房からすすり泣く声と共に美咲に誰かが尋ねた。その声の主は薄暗い厨房の片隅でデスクスタンドの灯りでフランス料理のレシピに関する本をパラパラとめくっていた。美咲に背を向けている。
「純一さんたちは帰ったわよ。顔を見せてあげれば良かったのに」
美咲はそう言うと暗い厨房の中にあった背もたれのない椅子に声がある方に自分の体を向けて座った。
「あのカレーライス、おいしいと言ってたわね。思い出の味だって」
「。。。、私が純一さんと分かれる前に最後に作った料理ですから。。」
「でも、考えたわね。"あの桜"が枯れる前に、根元に生えていた枝をこっそり根元から根っこごと取って株分けしてこの屋敷に宅配便で手紙をつけて送ってくるとはね。ま、これも猫知恵という奴? 最初、私、本当に驚いたわね。一応、この屋敷の中庭に庭師に植えてもらったから。あなたがこの屋敷を出ない限り、その姿でこれからもいられるわよ」
「ありがとうございます。美咲さんの恩は絶対に忘れません」
「でも皮肉よね。せっかく外に出られるようになったのに。また、出られなくなっちゃったんだからね。出たらすぐに猫に逆戻り。ははは」
美咲はそう言うと、自分の眼を右腕でぬぐった。厨房にいるメイドの女の子も同様の動作をした。美咲は厨房にあったカルアコーヒーリキュールの栓をあけると、ワイングラスに入れて飲み始めた。
「頼子がせっかく純一さんに『私の想い』を伝えに行ったのに。。彼、頼子の事しか私に尋ねなかったわよ。結局、私は自分の飼い猫にさえ勝てない女の子だったのね」
美咲はそう言うと厨房の流しに顔を伏せて号泣した。
「そんなことないですよ。美咲さん、自分に自信を持ってください!」
頼子は声を荒げて叫んだ。
その叫び声の後、静寂が訪れた。そして、美咲と頼子の間にそっと風が侵入した。
頼子は美咲の後ろにそっと近寄ると美咲をぐっと抱きしめた。
「私、美咲さんに子猫の時に雨の日に拾ってもらった恩は絶対に忘れません。ただの三毛猫だった私を抱き上げてくれてくれた時、人間の暖かさを知りました。美咲さんがいなかったら。。私はどうなっていたのか。。私をずっとこの屋敷に置いて下さい。もう、二度と出ていきません」
「頼子。。」
二人の女の子は顔を向き合うと同時に抱きしめ始めた。そしてお互いの唇を重ねるとキスを始めた。
「私、美咲さん無しには生きていけません」
「私もよ。頼子がいなくなったら私は。。」
ふたりはずっと抱きしめあっていた。

おわり とりあえず終わらせました。つづきを書きたい方は勝手にどうぞ。


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