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感動系しぃ虐殺ストーリを書くスレ
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34:雪のしぃずく 03/25 19:57 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
ギコは、耳の中に入ってくる罵声をまともに聞いてはいなかった。なにせ今のギコは頭の中が空っぽに等しいのだ。がらんどうのようなギコの頭では今、自分がヤクザにからまれているという状況自体を把握できなかったし、そもそも把握しようとも思わなかっただろう
省34
35:雪のしぃずく 03/25 19:58 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「ふん、いやなに…この小僧があまりにシケた面ァしてやがるからよぉ…景気づけに奢ってやろうと思ってな……」
省16
36:雪のしぃずく 03/25 19:59 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「まぁ……何だ…正直言うと、何となく俺はテメーが気に入ったよ……覇気のねぇ面はしてやがっても、最近のガキにしちゃあ肝が座ってるようにも思えるしな」
省20
37:雪のしぃずく 03/25 20:00 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「どうしたァ? お前も飲めよ…それとも酒は駄目なのか?」
省30
38:雪のしぃずく 03/25 20:01 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
ギコはハッとして体を起こす。
省13
39:雪のしぃずく 03/25 20:02 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「そろそろ…目は覚めたか? …じゃあ本題に入ろう、一体どうしてそんなにしょぼくれてんだ?」

八頭身はギコに即座に質問する、薬の効力は抜群らしく、ギコは流されるように今までの出来事を彼に話した。

「……なぁ〜るほどねぇ……それで? お前はこのまま黙ってるつもりか? ソイツを殺してやりたくねぇのかよ」

「殺して…やりたいさ…殺して…」

ギコは八頭身にそう言われると、あのチョン二ダの邪悪な笑い声を思い出し、しばらくの間、自暴自棄になって体の奥底にしまわれていた殺意が再び蘇り、体の中がムズムズして、握った拳がブルブルと震えた。
40:雪のしぃずく 03/25 20:04 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「……いい目だ。いい目になったぜ小僧……そうだよ…お前の今やるべき事は、しょぼくれて街をふらつく事でも、ましてや死ぬ事でも無い……復讐だ…!」
省24
41:雪のしぃずく 03/25 20:14 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「どうだい…この拳銃を買う気はねぇかい」

「…………」翌日…午前9時3分…ギコは携帯で電話を掛けていた。まさか出るはずは無いだろうと思っていたが、ちゃんと出た。電話越しからチョン二ダの吐き気を覚えるような粘つく声が聞こえる…

「もしもし…」

「チョン二ダか…ギコだ…今夜10時…駅前に来い、話はそれだけだ」

電話の向こうからチョン二ダがまだ何やら言っていたが、ギコは無視してそのまま電話を切った。

42:雪のしぃずく 03/25 20:16 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
あの日、ギコは八頭身から…50万でトカレフを買った。八頭身は正確に言うとヤクザでは無く、組同士の抗争や、ギコのように恨みを持つ者をターゲットに銃の密売をしている男だったのだ。

昨日の夜、八頭身から買った銃は自分の部屋の片隅に置いてある…あの夜の帰り道…周りにばれないように厳重に包装された拳銃の重み…その重みにギコの血は煮えたぎった。(いよいよ…アイツを殺す時が……来た!)昨日の夜…ギコは一晩中眠る事が出来なかった。拳銃を買ったという犯罪行為に少しビクついていたのだろうか…? 分からない……寝不足の目を擦りながらギコは街を歩く、そして夜になるのを待つ…

「ここ…か…」

ギコは駅前に来た。ここは今夜、ギコがチョン二ダを呼び出した場所……そして…あの日……クリスマスの夜…しぃと待ち合わせたあの場所……

「……しぃ…俺は今夜…全てにケリを付ける…」気が付くと……空から…銀色の粒が…

43:雪のしぃずく 03/25 20:16 ID:EA 59-171-190-65.rev.home.ne.jp
「雪……」

ギコは呟く、空から降る雪を見て……

ギコはそのまま目を閉じて、肌を刺す冬の寒さと、街の色を感じた。人で賑わう街……ここにしぃがいたら…ギコはふとそう思う…『大好きだよ…ギコ君』不意に…しぃの声が聞こえたような気がした。しかし…しぃの姿はどこにも無い…「しぃ……」ギコは今頃、空の向こうに居るであろうしぃに少しでも近づこうと…歩道橋の上に上ってみる、そこから見る景色も…ギコの胸を切なくさせた。「……雪…夜まで止みそうにないな…」ギコはポツリとそう呟いた。そしてタバコに火を付けると煙を少し吸い込み…吐き出した。タバコの煙は灰色の街と、白い雪の中に溶け込んでいった。そして…日は落ち…夜が来る…最後の戦いが始まったのだ。

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