パワプロ小説


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パワプロ小説

1: 名無しさん@パワプラー:06/04/03 14:15 ID:9./go036
エロではない

120: 名無しさん@パワプラー:08/04/02 00:53 ID:yQ

 その後、樹は風邪をひかないようにとあおいに上着をかけてやり、家まで送った。その時すでに十二時を回っており、あおいの両親は酷く怒っていたが、樹が一緒に謝って、事無きを得た。矢部君らは十二時を過ぎた時点で一旦集合してくれており、矢部君の携帯に連絡を入れて解散を告げた。あおいちゃんの無事を聞いて、またはるかちゃんは泣き出したらしい。
 自宅に帰って樹は、何にせよあおいちゃんが無事で良かったと溜め息をつき、勉強机の椅子に座り込んだ。夜中だというのにハードな運動をしたものだから、身体中が痛む。今頃あおいも、両親に説教されながらも身体が痛いと悲鳴をあげていることだろう。
 あおいちゃんは、この何倍も走り、そして疲れているはずだ。樹はちょっと、あおいちゃんを過小評価し過ぎていたなと自嘲した。
 机に向き直り、“野球ノート”のあおいちゃんに関するページを開く。そしてシャーペンを握り、練習メニューに付け足した。
 ランニング中心
 倒れるまで
 一度ニヤっと顔をほころばせてから、着替えを持ってシャワーを浴びに風呂場へと行く。身体は火照っている。冷水を浴びる気満々である。
 結局、あおいちゃんが男女の壁に悩まされているのもあったけど、今回越えなければいけなかったのは、自分の、考え方の壁とあおいちゃんとの壁だったのかなと、樹は少々大きめの今回の事態を振り返った。もし普通の練習に戻してあおいちゃんが故障しても、決して良くはないが、それでも彼女は後悔しないはずだ。手加減されて思い通りの結果がでないよりは、よっぽど満足するだろう。
 それでいいのだ。高校野球は、そうでなければならない。皆が後悔しないような野球をさせてやるのが、キャプテンの務めなのだ。
 そう自分で結論づいただけでも、今日はヨシ!
 樹は満足気に一人頷いて、風呂場へと入っていった。

 数秒後、冷水のあまりの冷たさに樹の悲鳴が家中に響き渡ったことは言うまでもない。



           次からは新学年編です。が、まだ一文字も書いていないのでまたちょっと先になると思います。
           のんびりと、待てる人だけ待ってて下さい。


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