パワプロ小説


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パワプロ小説

1: 名無しさん@パワプラー:06/04/03 14:15 ID:9./go036
エロではない

55: 名無しさん@パワプラー:07/09/02 11:38 ID:Q1EDbOxo
 良かったと、ゆかりは胸中で安堵した。昔から泣いている同級生がいれば慰めていたが、いつも、それっぽい言葉で安心させてやるのが精一杯だった。涙一つ拭ってあげるのにここまで自分の過去を話し、相手の気持ちを考えたのは初めてだった。早川あおい、彼女と出会ってからというもの、初めてのことだらけだ。本当に不思議な女の子だなと、ゆかりは苦笑した。
「さて、そろそろ大丈夫そうだから、アタシは行こうかな……って、あれ?!」
 ぐっと身体に力を込めて立ち上がるも、やはり熱中症とやらは伊達ではなかったらしく、少しふらつく。床に向かって前のめりに倒れこみそうになったとき、あおいが、肩で受け止めてくれた。
「あっごめん! 重いでしょ、よっと」
 立ちくらみに打ち勝ち、床に足を降ろす。保健室独特の白い床の冷たい質感が、裸足に心地良かった。
「だ、大丈夫? 高松さん」
 心配そうに覗き込んでくるあおいに、再びの元気な笑顔を見せる。
「平気平気! あと、アタシのことは、ゆかり、でいいわよ」
「え、いやそんな」
「アタシも、あおいって呼ぶから。おあいこ」
 しばらく黙りあってから、どちらともなく、笑い出していた。数時間前は目くじらを立てて怒鳴りあい、無茶な試合にまで発展したというのに、今はどうだ。ぶつかり合って、お互いの弱さと強さを見せ合った二人は、いつの間にか無垢に笑い合える友人同士となっている。傍から見ては不思議な光景だろうが、何より当事者二人が一番不思議に思っているのだ。
「アハハ、なんか、自分で言うのもなんだけど、ちょっと感動しちゃったな」
「ハハハ、そうだね。ボクも、ちょっと感動しちゃった」
「ウウッ、オイラも感動したでやんす」
 その瞬間、凍りついたように時が止まった。


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